定期演奏会で毎年「合唱」!?

音楽室での練習風景

音楽室での練習風景

取材班:
今年の6月に県立伊川谷北高等学校吹奏楽部は第15回定期演奏会を開催されましたが、その中で第Ⅲ部が「合唱」ステージでした。吹奏楽の練習の一環で「合唱」をする高校は聞いたことがありますが、吹奏楽部の定期演奏会のプログラムに「合唱」が入っているのはとても珍しいと思いますが?
松井先生:
そうなんですよ。伊川谷北の定演では必ず「合唱」をするんです。確かに音をとるために、吹奏楽の練習ではよくコーラスをしますね。でもうちの高校はそうではないです。本気で合唱コンクールに出たろうかと思うぐらい真剣に練習しています。最初は生徒達も「合唱」をすることに抵抗があったとは思うんですが、みんなだいぶ馴染んできましたね。 定演の2ヵ月くらい前になったら毎日昼休みに練習をします。すごい大変やけど、ここ何年も続いてますわ。もちろん「合唱」をすることで吹奏楽が上手になるということはあるんですが、それより何よりも「合唱」はいいんです。「合唱」は人間の持つ声、つまり自分自身で音楽になるんです。「今日はちょっと楽器の調子が・・・」、そんなんあらへんからね。声は自分の思った通りに出せるし、逆に思わないと出せないし...すごい直接的でしょ。それに楽器を通して間接的に音を響かせるのとは違い、自分の声でホールが"ワーーン"と響くのは、直やからすごくいいねぇ。それが、僕は好きなんです。「合唱」の時は、生徒達もみんな一生懸命楽しそうに歌ってくれてね。とてもいい体験やと思いますよ。
実はこの「合唱」、僕が県立兵庫高等学校に居る時に始めたんです。だから県立兵庫高等学校も定期演奏会で「合唱」をするんですよ。で、伊川谷北に来ても兵庫の時と同じように僕は定演で「合唱」することを続けているんです。だからおそらく定期演奏会のプログラムに「合唱」があるのはその2校だけです。吹奏楽部の定期演奏会で「合唱」のステージでしょ、聞きに来た人はがく然としますよね。でも、自画自賛ですが僕は結構上手いと思いますよ(笑)。
取材班:
先生の今後の目標、夢などをお聞かせください。
松井先生:
さっきお話した通り、県立伊川谷北高等学校吹奏楽部はまだまだ発展途上のクラブです。テクニックではなく音楽に集中できるくらい生徒にはやっぱり上手くなって欲しいと思いますし、生徒が主体になって本当に音楽が楽しめるクラブを作っていって欲しいと思いますね。ピアニストがいくら上手に弾こうと思っても、調律が出来ていないピアノでは音楽にならないんでね。吹奏楽の場合も同じで、生徒一人一人がちゃんと楽器を鳴らし、ちゃんと吹くことが基本です。そこをクリアした上で、僕の音楽を生徒が理解してくれて、本当の意味で音楽の中心に近い所まで行ければ、それが理想ですね。そういう観点からも、このクラブがまだまだ発展途上なのが歯がゆいですね、ほんまに。
取材班:
長時間のインタビューにご協力いただき、ありがとうございました。