バレエ音楽は便利!

松井 隆司 先生
取材班:
県立兵庫高等学校吹奏楽部は1989年以降8年間で7回も全国大会出場を果たす全国屈指の実力校となったわけですが、逆にプレッシャーはありませんでしたか?
松井先生:
生徒にはプレッシャーはあったんだと思います。バレエ組曲「火の鳥」を演奏した年なんかは、本当に可哀想なほど生徒達はプレッシャーを感じていましたからね。生徒の中には普門館のステージに立つ前から泣いてる子もいましたよ、「チューニングがうまくいかない」って。しかもその年全日本で銀賞やったんですよ。すると「昨年は金賞だったのに~」、そんなことで泣くんですよ。立派に全国大会まで出場しているのにね。生徒達自身にも演奏で思い通りにいかなかったところがあったんでしょう。だから銀賞っていうのがやっぱり辛かったみたいです。生徒達はすごく焦ってて、追い詰められてて、本当に可哀想やなぁとあの時はそう思いましたね。
取材班:
1990年以降松井先生は自由曲にバレエ音楽を多数選曲されていますが、バレエ音楽のいいところはどんなところですか?
 【1990年バレエ組曲「火の鳥」、1992年バレエ音楽「ロメオとジュリエット」、
  1993年バレエ音楽「シンデレラ」、1994年バレエ音楽「白鳥の湖」、
  1995年バレエ音楽「眠りの森の美女」で全日本吹奏楽コンクールに出場】
松井先生:
本当ですね、あんまり意識はしてなかったんですけど。バレエ音楽って便利なんですよね。曲想が流れるようなのがあったり、躍動感があったり、ワルツがあったりするんで。コンクールで演奏する場合、6分から8分ぐらいの短い時間に曲を収めないといけないでしょ。言葉は悪いけど、バレエ音楽は使い勝手がいいんですよ。本当のバレエだったら初めがこの曲、次はこの曲って演奏する曲順があるんだけど、コンクールの場合は曲を自由に組み合わせることで6分から8分のコンサートになればいいと思っています。それにバレエ音楽は1曲1曲が短いんで、組み合わせもしやすいんですよ。それで結構僕は好んで演奏してますね。
取材班:
実際バレエ音楽を演奏するに当たり、生徒さん達はそのバレエの題材を理解して演奏しているのですか?
松井先生:
頭では理解していたと思います。とりあえずは曲から入ります。なかなか本物のバレエを見るチャンスがないので、以前は生徒達にその曲のバレエのビデオを見せたり、ストーリーを説明したりはしていました。実際ビデオで見ても、もう一つと言えばもう一つなんですけど、何も見ないよりは少しはましかと思いまして。よくCDでバレエ全曲版や抜粋版が売られていますが、実際のバレエで使われている曲とはテンポ設定などが全然違いますよ。バレエで実際に演奏される曲はバレリーナが踊りきるためにとってもゆっくりなテンポであったり、ジャンプした時のタイミングを計ってあったりするんだけど、音楽だけが収録されたCDは譜面の通りですっごく早かったりするんですよ。僕らみたいにコンクールで演奏するだけならそういうことも有りだし、「別に音楽だけ切りとって演奏しても、それはそれでこの曲は活きるやろうな」と思うんです。