コンクールでスタンドプレイ!?

松井 隆司 先生
取材班:
高校の部でも兵庫県の演奏レベルが高いことを全国に知らしめてくれたのがまさに県立兵庫高等学校吹奏楽部だったわけですが、その快進撃の始まりが1989年の全日本吹奏楽コンクール金賞受賞だと思います。その時の自由曲は「ディオニソスの祭(F.シュミット作曲)」でしたが、その曲を選曲された経緯を教えてください。
松井先生:
1989年は確かに自由曲に「ディオニソスの祭」を演奏して全国大会出場を果たしたんですが、実はあの年の自由曲はいわく付きで、元々は交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら(リヒャルト・シュトラウス作曲)」がやりたくて、自由曲として演奏するつもりだったんですよ。ただちょうどその頃から作曲家の著作権についてうるさくなりだして、結局のところ交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」については演奏許可が下りなかったんですわ。困った挙げ句、「もうええわ、これで」って決めた曲が「ディオニソスの祭」やったんです。ちょっと耳に残ってた曲だったもんでね。だから「ディオニソスの祭」は「ティルがあかん、しゃあないなぁ、もうええわ、行け」、それぐらいの軽い気持ちで決めた曲なんで元々は何の思い入れもありませんでしたね。
でもいざ演奏するとなるとなかなか大変な曲で、「ディオニソスの祭」は元々100人以上の編成で組まれた楽曲なんでね。しかも楽譜の中にいっぱい知らん楽器名が書かれてあるんですよ。あれはかないませんでしたねぇ。でもこの時の生徒達は本当によく頑張ってくれて、この難しい曲を目いっぱい吹いてくれました。
取材班:
そう言えば、「ディオニソスの祭」を演奏した同じ年の課題曲「ポップスマーチ『すてきな日々』」では、コンクールでトランペットがスタンドプレイをしたことで話題になりましたね。まさにコンクールがコンサートになった瞬間でしたよ。
松井先生:
あの課題曲は途中にスイングもあるしとってもいい曲で、僕も大好きな曲でね。曲中でトランペットにスタンドプレイを是非やらせたかったんですよ。で、兵庫県大会まではスタンドプレイをしたんだけど、さすがに関西大会だけはちょっとやめといたほうがええなと思って自粛しました。でも全国大会に出場が決まると後はもうどうでもええと言うか、やりたい放題やろうと思ってスタンドプレイを復活させました。