高校と中学のいい関係。

内海 伸晃 先生
取材班:
プール学院は高校・中学校ともに関西大会に出場するほどの強豪校ですが、中学の部に出場し始めたのはつい2年前なんですね。
内海先生:
2006年に初めてプール学院中学校としてコンクールの中学Aに参加し、おかげさまで初年度から関西大会に出場することができたわけですが、実はその3年前から中学Aへの参加の準備は整っていたんです。ところが高校生に「中学校だけでコンクールに出さへんか」と言うと、「いや駄目です。高校チームのパートでどうしても中3生が必要なパートがありますから」って。中3生でも必要に応じて高校のAチームに入れたりしていたんでね。結局「それなら今年は諦めよう」ってことになりました。
翌年、僕はまた高校生に言いました。「そろそろやばいで。中学生をこのまま放っといたら、暴動起こすで」って(笑)。すると「先生、何言ってるんですか。部員120人みんなで高校Aを支えなきゃ駄目でしょ」って。僕も「その通りや、ええ事いうなあ」って思い、「やっぱり諦めようか」って(笑)。ところが、2年前に大阪府吹奏楽連盟から同じ指揮者が高校AとBの両方を振るのは駄目だというお達しが来たんですよ。つまり僕が振る以上高校Bへの出場はできないということです。実は高校Bには中学校の上手い子がいっぱい入っていたんですわ。それで、僕は「もう高校Bの出場は無理やから、中学Aに出るぞ」って。高校生は『えええ~~~!!』って感じでした。それでも「しょうがないやないか。それと中学Aも指揮は僕が振るから」って言いました。
中学Aに出場するのが決まった時、中学生相手に「お前ら分かっているやろな。先生もプール学院高校である程度の実績を積み、一応周りでは顔が売れているんやからな。中学の部に出て地区予選落ちなんてことがあったら、もう一生出えへんからな、わかったか、中学生!」って言いましたよ。中学生も「はい!一生懸命頑張ります!」って。そしたら地区予選でダントツの成績。「みんな良かったな、あとは僕も高校生に命をかけるから」、そう言ってその後は中学生は放っといたんです。
でも急に、高校生は焦りだしましたね。「中学生のあの勢いはやばい」って。どっちが有利かってね、圧倒的に中学生なんですよ。それを高校生も薄々分かっているから。だから地区大会予選前は中学生に「もう一回やってみ!そうそう!」ってみんな涙ぐましく教えていたけど、大阪府大会前は自分たちの方がやばいんで、「中学生を教えるのはヤメ」って感じでした(笑)。でもそのおかげで中学生がある程度自立してきたし、高校生も中学生からいっぱい刺激を受けましたね。なんせ中学校の地区予選を聴いたら「中学生は関西大会に行きそうや」っていうのが分かり、絶対中学生には負けられないって思う一方で、自分たちは「どうしよう」というところがあったんでしょう。彼女たちは必死になって練習していました。日頃の練習中の緊張感も全然違いましたよ。中学生が「ヤバい!高校のお姉ちゃんみんな本気や!」とか言うて(笑)。おかげで短期間で「ぐあーー!」と力が伸びましたね。僕もそれを見て「あぁこれは行けるわ」と思いました。実は前年(2005年)高校は大阪府大会で落ちてたんで、内心では高校・中学どっちも負けたら僕はクビかもとハラハラしてましたよ(笑)。結果はどちらも関西大会出場を果たし、本当に「良かった、良かった」という気持ちでした。