高校3年生が全てのトレーナー。

内海 伸晃 先生

プール学院正門

取材班:
プール学院高等学校・中学校吹奏楽部の特徴をお聞かせください。
内海先生:
プール学院は私立なんですが歴史のある学校、それも女子校なんで、非常に考え方が閉鎖的なんです。トレーナーを外から呼ぶのも駄目で、結局僕が一人で全部、一から十までやらないといけないんです。太鼓も教えなあかんし、ベースも教えなあかんし、テューバも「ボー?ブーンや!」って(笑)。また、生徒に怪我させたらあかんので、楽器運びですら今でも率先して僕からやっていますよ。卒業生には結構有名なプロもいるんですけど、あんまり教えに来ませんね。僕としてはウェルカムなんやけどな(笑)。このように全て一応僕中心にクラブが回っています。でもある意味クラブを回しているのは高校3年生全員です。「僕に相談することは何か」「僕がお手伝い出来ることは何か」、これらは彼女たちが考えます。また彼女達は高2生・高1生・中3生・中2生・中1生のトレーナーの役割も担っています。
内海 伸晃 先生

屋上での練習風景

現在この学校には4つのバンドがあります。1つは中1生だけのバンド、それから中学生バンド、さらに高校Bチーム、最後に高校Aチーム。その4つのバンドを僕一人で指導しています。特に高校Bチームや中1生だけのバンドについては、トレーナーに任せるのではなく、この2つのバンドこそ僕が見ないといけないと思っています。だから高3生に僕は言います。「自分達の練習、そんなのはどうでもええ。お前達の使命は高校Bチームにどれだけ愛情を注げるか、あるいは、中学生をどれだけ可愛がって上手にするかや」と。同じく中1生以外の全部員には、「お前らええか、自分一人で上手になったんとちがうからな。中1は宝物や、中1を全員で教え!」と言ってます(笑)。だからうちの学校では中2生・中3生・高1生・高2生・高3生もみんなで中1生の面倒を見ます。中1生というのはうちの学校ではものすごく異質な存在で、例えれば幼稚園児みたいなもんです。よその吹奏楽部の中1生って言ったら結構役に立ったりするでしょ。でもうちの吹奏楽部ではまだまだ全然役には立たないからね。
で、なんでそんな方式にしたかと言うと、大阪はご存じのように私立高校がコンクールに強い。そしてそれらの学校は、みんな寄ってたかって全国レベルの上手な中学生を集めようとするんですよ。さすがにそれをされるとうちは太刀打ちできない。それで僕がこの状況を打開するために辿り着いた結論が「自社生産」。「よそは勝手に優秀な人材を集めとけ」って。『「うちの高校に来てくれませんか」って声がかかるようなプール学院中学にしたらええんやろ』って思いましたね(笑)。