受験前の1月に縄跳び補習!

受験前の1月に縄跳び補習!
取材班:
大阪府立北野高等学校の特徴を教えてください。
佐々木先生:
公立の進学トップ校ともなると、概ね能力的にはどこも同じ様な生徒が集まっていると思うし、やる気のある生徒が多いので、クラブの組織率も基本的には高いと思います。北野高等学校の場合もそうなんですが、部活について言えば、高3生の引退する時期が他の進学校に比べて遅いですね。僕が聞くところによると、文化系の場合、高2生の秋くらいにはもう引退させてしまう学校も少なくないようですが、うちの学校の場合は結構最後まで残って頑張らせますね。吹奏楽部は夏の吹奏楽コンクールに出る生徒の数の方が、それまでに辞める生徒の数より明らかに多いです。運動部は軒並み残っていますし、サッカー部や陸上部に至っては秋まで辞めずにやっている生徒がいますからね。だから教員の方も「高3生になってクラブなんかしていてどうするねん」という言い方はしないんです。むしろ途中で部活を辞めたら「なんで辞めんねん」って言うんですよ。「ちゃんと最後までやれ」って(笑)。この学校では、「勉強だけでいいということではなく、生徒にいろんなことをやらせた方が結局は力になる」という認識がみんなにあるんですよ。確かに生徒には勉強をいっぱいやらせていますので、そういう意味では大変だと思いますけど...。
あと面白い話で言えば、うちの学校は受験直前の1月頃に高3生を対象とした縄跳びの補習とかがあるんですよ。考えられないでしょ(笑)。普通は保護者の方も「こんな時期にそんなこと」って怒ると思うのですが、でも誰も文句を言わないんです。あと、今から5年くらい前にあった話ですが、学習カリキュラムに「総合学習」など新たな科目を導入する際に、「どの科目の時間を削りましょうか」という話になったんですよ。普通、進学校だったら芸術などの科目を削りますよね。北野高等学校でも、他の学校と同じく芸術の時間がかなり削られることになったんです。ところが、学年懇談会でPTAから「どうして芸術の時間を削ったんですか」っていうクレームが出たんですよ。それも1人ではなく複数の人から意見が出て(笑)。普通は、「芸術の時間を削って、英語の時間を増やしてください」って言うと思うのですが...。それで当時の校長が「保護者のニーズだから、よし、芸術の時間を増やそう!元に戻そう!」と再度学習カリキュラムを見直すように言ってくれたんです。さすがに完全に元の時間にまでは戻りませんでしたが、10の所が6ぐらいに減ってしまった芸術の時間を、また8ぐらいまで戻してくれたんです。音楽の教師にとっては大変ありがたいですし、北野高等学校のそういう所が面白いと思います。
受験前の1月に縄跳び補習!

大阪府立北野高等学校 正面

取材班:
それは珍しい光景ですね。保護者の中に「学力以外でも北野高等学校を選んでいるんだ」という思いがおありなんでしょうね。
佐々木先生:
そうですね。学級懇談会でも「うちの子どもはクラブばっかりしているんですよ。でもそれでいいんです。楽しくやってくれていたら」ってそんな感じで話される保護者の方が多いんですよ。内心では「絶対京阪神の国公立に!」って思われているかもしれませんが、そんな風に露骨には言われないので、教師にとってもすごくやりやすい環境だと思います。