生徒たちが教えてくれた、吹奏楽の面白さ

佐々木 信明 先生

大阪府立北野高等学校吹奏楽部 顧問
(2012年10月27日現在)

取材班:
最初に、先生のこれまでの吹奏楽人生についてお話しいただけますか?
佐々木先生:
実は、僕は吹奏楽にどっぷり浸かった経歴は持っていなくて、学生時代の吹奏楽経験といえば、中学の時に音楽の先生に勧められて1年間チューバを吹いたことがあるだけなんですよ。大学へは最初声楽を学びたくて入ったんですけど、僕の場合、鼻がすぐに炎症を起こしてしまって...専門の医師に見ていただくと「その状態で声楽を続けるのは難しい」と言われ、結局大学を退学しました。でもやっぱり音楽が好きで、その中でも特に音楽史や楽理といったものに興味があったので、音楽学専攻で再度大学に入り直しました。
その後大学を卒業し、教員として最初に赴任したのが大阪府立貝塚南高等学校でした。その学校には合唱部があり、最初は何となく「そこの顧問をすることになるのかなぁ」という雰囲気だったんですけど、他に部員数が十数名程の小規模のブラスバンド部があって、何故かそのブラスバンド部の生徒たちが僕に「クラブをちょっと見て欲しい」と言ってきまして...。全然吹奏楽をやるつもりなんてなかったのですが、結局ブラスバンド部の顧問を引き受けることになりました。それで一緒に合宿に行ったり、なんだかんだ生徒と行動を共にしているうちに、僕自身クラブ活動が面白くなってきたんですよ。それは、吹奏楽自体が面白くなってきたということもありますが、やっぱり生徒と吹奏楽を通じて触れあうことがとても楽しかったんです。本当にベッタリでしたね。その当時は僕もまだ若かったんでね(笑)。
その後、活動を続けていくうちにだんだん部員が増えてきて、いよいよ吹奏楽コンクールにでも出ようかという話になりました。僕もだいぶ熱くなってきて、「これはちょっと本気で吹奏楽の勉強をしないといけないな」と思い、実際にクラリネットを習いに行ったり、LPレコードを買い漁って聴き込んだり、吹奏楽のコンサートをできるだけたくさん聴きに行ったりするようになりました。指揮に関しても、ヤマハの講習会で保科先生から指導を受けたり、個人で指揮のレッスンをされている方の所へ何回か通ったり、あとはプロが演奏しているビデオを見たりして、自分なりに勉強しましたよ。残念ながら「指揮法」みたいにきちんと系統立った勉強はできていませんが、でも高校生相手の場合、指揮で大事なのは多分そんなことじゃないと思います。そうこうしているうちに、毎年夏には吹奏楽コンクールに出場するのが常となり、僕が貝塚南高等学校を出て行く時には部員数も100名を超え、大阪府大会には常に出場できるくらいの演奏技術を持ち合わせたクラブになりました。