まずは日々の生活をきちんと。

まずは日々の生活をきちんと。
取材班:
生徒を指導される際に、先生が特に気を遣っていらっしゃることはありますか?
羽地先生:
そうですね、やっぱり一緒にやっているのでお互い信頼してやろうってことでしょうか。私も人間ですから間違いもあります。だから「先生が間違っていたら『間違ってる』って言ってくれ」と言います。100%完全な人は絶対いないからね。あと音楽面よりも生徒達の生活面の話をすることが多いですね。私は練習を始める前後に一言しゃべるんですけど、その時には世間話をしたりいろんな話をします。「女やから出来ないってことはないぞ」とか、「人が見ているから練習をし、見ていないからサボるのどうかなとか、なんでもそうや。先生が見ているから勉強するとか、そんなのはあかん。」「日常の五心」って紙を貼っていますが、「あれ何人読んでいるんや」とか、「おかんに生んでくれてありがとうって言うた人が何人おるんや」とかね。だけど中には「生んでくれてありがとう」って言った子も何人かおります。そういう練習以外のことを、練習を始める前後に話すんです。時には優しいことを言ったり、厳しいことを言ったりもします。例えば、部員は女子が多いですから、スカートを気にせんと座ったりしている子にははっきり言います、「見苦しい」って。僕も言うのは恥ずかしいんですけど、誰かが言わないとあかんから言うんです。クラブで練習を始めたら、あんまりごちゃごちゃは言いませんけどね。だけど生活面についてはやかましいことを言います。そうしながら生徒達との触れ合いを大事にして行かなあかんかなぁと思っています。人間対人間としてね。一応お互い大人やからね。
まずは日々の生活をきちんと。

音楽室に貼ってある「日常の五心」

取材班:
生徒たちの普段の生活のことも気にかけていらっしゃるんですね。
羽地先生:
掃除やいろいろなことをさせても1年生が一番気がつかないです。でも、3年生は1年生に「ああしろ、こうしろ」って絶対言わないです。3年生は自らのことをしっかりします。それで私が1年生に言うんです、「3年生がやっているのに、あんたらボーっとして何をしてんねん。私がしますっていう気持ちが大事なんと違うん?」って。1年生は「自分がやらないと」って思って、「先輩、私がします」と行動します。「ありがとう」が言えたり、人間として当たり前のことが出来ていたらすばらしいと思っています。「世の中に出て行っても、それで飯が食えるぞ」と。逆に「そんなことも出来ない奴は飯も食えないよ」って言うんですよ。勉強ももちろん大事だけど、挨拶も含め、「自分がやる」と積極的に言うようになったらいいんですよ。勉強でもそうだと思うんです。やれやれと言われてするより「自分がやらなあかん」と気づく生徒は伸びていますね。