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演奏会レポート【10】 スペシャルレポート 全日本吹奏楽コンクール 〜高校の部〜
■レポーター: 近畿大学附属高等学校吹奏楽部 古川さん(高2生・オーボエ)
    辻本くん(高2生・トランペット)
■演奏会: 第56回全日本吹奏楽コンクール 
平成20年10月19日(日)
高校前半・後半の部
普門館(東京都杉並区)
 「We Love Brass」では、昨年に引き続き今年も現役吹奏楽部員による全日本吹奏楽コンクールのレポートを決行。今回は、近畿大学附属高等学校吹奏楽部の木管セクションリーダーの古川さんと金管セクションリーダーの辻本くんの2人に、10月19日に普門館で行われた第56回全日本吹奏楽コンクール(高校の部)をレポートしてもらいました。

※なお、この企画は関西からの日帰りスケジュールが組まれている関係上、残念ながらプログラム1番の秋田県立秋田南高等学校と2番の東海大学菅生高等学校の演奏は聴くことが出来なかったので、プログラム3番の習志野市立習志野高等学校の演奏からのレポートとなります。
 
前半の部
3.東関東代表 習志野市立習志野高等学校 (千葉県)
課題曲:U マーチ「晴天の風」
自由曲: 組曲「展覧会の絵」より (M.P.ムソルグスキー 作曲)
成績: 金賞
●古川さん:課題曲は木管のメロディーの音色が音ではなく響きで混ざり合っていて、耳だけで聴いているとどの楽器が鳴っているか分からないくらいでした。また、音量は小さくても、しっかりとした響きが客席まで届いていました。自由曲は各ソロが気持ち良さそうに吹いているのが伝わってきたことと、最後に向けて盛り上がっている時の音の深さが心に沁みつきました。
●辻本くん:課題曲は音色に濁りがなく、透明感のあるクオリティの高い演奏でした。演奏者がとても楽しそうに吹いていて、その楽しさが客席にも伝わってきました。自由曲はとても音楽性の豊かな演奏でした。音に広がりがあり、なおかつまとまりのある音でした。また、トランペットのソロはとても堂々とした説得力のある演奏でした。

4.中国代表 岡山学芸館高等学校 (岡山県)
課題曲:U マーチ「晴天の風」
自由曲: ハンガリー民謡「くじゃく」による変奏曲 (Z.コダーイ 作曲)
成績: 金賞
●古川さん:始まりがとてもパワフルで元気良かったのが印象強かったのですが、木管主体のメロディーになると、落ち着いた雰囲気がホールに広がっていました。自由曲は、テューバのアーティキュレーションがとてもはっきり聴こえてきたので素晴らしいと思いました。あと、細かい動きもよく揃っていて、一つひとつの音が丁寧に聴こえてきました。
●辻本くん:課題曲は元気で活き活きとした、テンポ感の良い演奏でした。音量のバランスがよく、とても聴きやすかったです。自由曲は細かいパッセージが歯切れよく、まとまって聴こえてきました。それぞれの旋律がうまく噛みあって立体的な演奏でした。

5.西関東代表 春日部共栄高等学校 (埼玉県)
課題曲:W 天馬の道 〜吹奏楽のために
自由曲: 鳳凰が舞う 〜印象、京都 石庭 金閣寺〜 (真島 俊夫 作曲)
成績: 銀賞
●古川さん:打楽器と管楽器の一体感が強かったです。金管楽器(特にトランペットとトロンボーン)は、頑張って吹くところと楽に吹くところの対比がちゃんとつけられていたので、聴いている方もリラックスして聴くことができました。また、一発音を決めるところの音の響きが、次の曲想が始まっても残っているような感じで、聴いていて長い流れを感じました。
●辻本くん:課題曲は表現力の高い演奏でした。低音の運びがスムーズで、推進力のある曲の展開が聴いていて心地良かったです。自由曲は課題曲同様、演奏者がしっかり曲想を理解して吹いているように聴こえました。それがおそらく表現力の高さにつながっているのではと思いました。

6.東関東代表 横浜創英中学・高等学校 (神奈川県)
課題曲:T ブライアンの休日
自由曲: 歌劇「蝶々夫人」より (G.プッチーニ 作曲)
成績: 銅賞
●古川さん:課題曲Tの「ブライアンの休日」はメロディーラインのスタッカートのリズムが難しい曲ですが、トランペットのリズムがよく揃っていたので聴いていて気持ち良かったです。あと、楽譜上に書いていないところで音を落とし、フレーズの頂点をより明確にしていたので、すごく表現力のある演奏だと思いました。自由曲は特にオーボエのソロが透き通るような美しい音色で素晴らしかったです。
●辻本くん:課題曲は軽快でマーチらしさのあふれる演奏でした。テンポ感も良かったです。自由曲からはこの学校がダイナミクスの変化の上手なバンドだということが伝わってきました。だから、その分聴いていて楽しかったです。

7.関西代表 大阪府立淀川工科高等学校 (大阪府)
課題曲:U マーチ「晴天の風」
自由曲: 大阪俗謡による幻想曲 (大栗 裕 作曲)
成績: 金賞
●古川さん:マーチの主役であるスネアドラムがとても楽しそうに演奏しているのが印象的でした。そして何よりも休みで待っている時の表情がいつも笑顔で、雰囲気がとても良かったです。自由曲は、きれいな音色で吹く反面、祭りの雰囲気も出さないといけないところが難しそうに思いましたが、完璧にこなされていて文句のつけようのない演奏でした。
●辻本くん:課題曲はマーチのツボがわかっているような爽やかさで、でもなめらかで曲のメリハリというか曲想の切り替えがすごく上手で、聴いていてとても気持ちが良かったです。自由曲は「曲を自分たちの物にしている」という印象を受けました。音にとても説得力があって、会場の空気をうまく作っていました。

8.中国代表 おかやま山陽高等学校 (岡山県)
課題曲:V セリオーソ
自由曲: 「翡翠」より T.雨上がりに... U.焔の如く輝き (J.マッキー 作曲)
成績: 銀賞
●古川さん:課題曲Vの「セリオーソ」の始めはピッコロとバスクラリネットのユニゾンのメロディーで始まりますが、低音がしっかりと鳴っていてバランスが取れていました。そして、次のクラリネットのメロディーは音圧がすごく、金管楽器に負けないくらいでした。自由曲は、盛り上がるところで一人ひとりがしっかり吹いているのが感じられ、厚みのある豊かな音になっていました。
●辻本くん:課題曲はまとまりのある演奏で、音に余分な響きのないクリアな音色でした。また、曲の軽く吹くところ、重く吹くところの差が大きく、変化に富んでいました。自由曲では個々の技術の高さが見ていて伝わってきました。大きな音量の時も音色が美しく、曲全体として大きくまとまっていました。

9.四国代表 愛媛県立伊予高等学校 (愛媛県)
課題曲:V セリオーソ
自由曲: 「スペイン狂詩曲」より W.祭り (M.ラヴェル 作曲)
成績: 銅賞
●古川さん:課題曲Vの「セリオーソ」のピッコロとバスクラリネットのソリは、音一つひとつに対しての表現力が大きかったです。木管楽器も曲想に合わせて力強く吹けていました。自由曲の中間部は各楽器の速いパッセージが正確に吹かれていて、最後に向けて壮大な音楽になるところで鳥肌が立ちました。
●辻本くん:課題曲は深みのある音であったかい音色でした。音楽の流れがスムーズで場面展開が次々とあって良かったです。自由曲は表情豊かな演奏で音色のブレンド感が良かったです。

10.北海道代表 北海道札幌白石高等学校 (北海道)
課題曲:W 天馬の道 〜吹奏楽のために
自由曲: 「交響曲」より 第4楽章 (矢代 秋雄 作曲)
成績: 銅賞
●古川さん:課題曲は始めからの流れがとても良くて、テンポがゆっくりなのに音が前に進んでいるのがよく分かりました。木管楽器の繊細な音色に比べ、金管楽器の一つひとつの音が力強かったので、曲のバランスがしっかり取れていました。自由曲は全く音がなくなった時に緊張感を出せていたと思います。
●辻本くん:課題曲はすっきりとした、各声部がよく聴こえる演奏でした。バランスのよい演奏でとてもブレンドされた音でした。自由曲は力強い音でよく鳴っている演奏でした。力強い中にも繊細さがあったと思います。

11.東海代表 光ヶ丘女子高等学校 (愛知県)
課題曲:T ブライアンの休日
自由曲: ストコフスキーの鐘 (M.ドアティ 作曲)
成績: 銀賞
●古川さん:トランペットのメロディーが活き活きしている中にも、音色が木管のように優しかったことが印象深かったです。部員が全員女子にも関わらず、ラストに向けての音の壮大さには驚きました。自由曲は特に、いきなり浮き立ってきたフルートの音色、響きがホールの奥まで届いていたような気がしました。最後の最後の音まで丁寧に演奏されているのもよく伝わってきました。
●辻本くん:課題曲はテンポ感のよい演奏で流れが良かったと思います。トリオからのメロディーも音楽的で、音楽性の高い演奏でした。自由曲は全員が女子とは思えない迫力のある演奏で、表現力の高さ、曲の展開がとても上手く表現されていました。

12.九州代表 福岡県立嘉穂高等学校 (福岡県)
課題曲:U マーチ「晴天の風」
自由曲: 「アルプス交響曲」より (R.シュトラウス 作曲)
成績: 銀賞
●古川さん:一発目の音がすごく気持ち良く聞こえました。木管楽器は体でしっかり表現出来ていたところも良いと思いました。自由曲では、特に金管楽器がアインザッツを出して入りをきっちり合わせているのが見えて、奏者から観客に「自分たちがこう吹きたい」と伝えているようにも思いました。あと、トゥッティーで音量がしっかり鳴っている時も空間を上手く利用してホールの端まで響きが行き届いていたと思います。
●辻本くん:課題曲は縦の線がきちっと揃った、すっきりとした演奏でした。金管は力強く木管は優しい音色で、バランスの良いマーチでした。自由曲は同じく縦の線がきちっとしていました。響きのある音で客席の空気が聴き入るようなそんな演奏でした。

13.東北代表 福島県立湯本高等学校 (福島県)
課題曲:U マーチ「晴天の風」
自由曲: バレエ音楽「中国の不思議な役人」より (B.バルトーク 作曲)
成績: 金賞
●古川さん:音符の長さが短くてもその中に響きがいっぱい付いていたので、その響きと響きが重なって音楽が続いているような感じでした。また、クラリネットの音もよくまとまり、一体感のある音でした。自由曲は、始め木管の細かい音符がちゃんと流れていて、でもテンポがしっかり見えていました。そして、金管楽器の音の処理をすごく丁寧にしているのが伝わってきました。
●辻本くん:課題曲は華やかで元気な演奏でした。曲の場面転換がはっきりしていて、聴いていて楽しい演奏でした。自由曲は全体的に音に対して集中力が最後まであるような、緊張感のある演奏だと思いました。また、見ていて1stから3rdまでレベルの差がないクオリティの高い演奏でした。

14.北陸代表 富山県立高岡商業高等学校 (富山県)
課題曲:T ブライアンの休日
自由曲: 交響曲第5番「革命」より 第4楽章 (D.ショスタコーヴィチ 作曲)
成績: 銀賞
●古川さん:管楽器とシロフォンのスタッカートのリズムがきっちり揃っていました。トリオからのクラリネットとサックスのメロディーは、クラリネットが主体に聴こえて木の優しい響きが広がっていました。自由曲はバンド全体からこの曲に対しての熱い思いが伝わってくるような演奏でした。
●辻本くん:課題曲は歯切れのよいはっきりとしたマーチでした。でもトリオからのメロディーは前半とは変わって、とても滑らかなまとまった音でした。自由曲は迫力のある華やかな演奏で、会場を圧倒させながらも音色が汚くなかった金管楽器に技術の高さが見てとれました。

15.関西代表 天理高等学校 (奈良県)
課題曲:V セリオーソ
自由曲: バレエ音楽「中国の不思議な役人」より (B.バルトーク 作曲)
成績: 金賞
●古川さん:木管楽器は力強さというよりは音楽の流れを作っているような感じで、そういう面では力強さは金管楽器に任せている感じでした。自由曲ではやはり最初の木管楽器の細かいパッセージが印象に残りました。音一つひとつが進んでいることを表すことが出来るのは、本当に素晴らしいと思いました。また、タンギングの息と指がうまく合っていて、音がよりはっきりと聴こえました。
●辻本くん:課題曲は全体としてのまとまりがよく、音楽性の豊かな演奏でした。木管の役割、金管の役割を理解しているように見えました。自由曲は木管の細かいパッセージがよく聴こえました。各ソロ、とくにトロンボーンのミュートのかけ合いが、曲のストーリーの場面が思い浮かぶような演奏でした。

 
後半の部
1.関西代表 明浄学院高等学校 (大阪府)
課題曲:U マーチ「晴天の風」
自由曲: バッハの名による幻想曲とフーガ (F.リスト 作曲)
成績: 金賞
●古川さん:課題曲はきれいな部分と強い部分のメリハリがよくついていて、全体的に透明感のある音色でした。自由曲はクラリネットの人たちの体の動き方が統一されていたので、音もよくまとまって聴こえていました。あと、ダイナミックスがとても大きいところの音質、音圧が最高で、ホールの奥まで響きが飛んできました。
●辻本くん:課題曲は爽やかですっきりとした演奏でした。音にメリハリがあり、表現力の高さが聴いていてわかりました。クリアな音色で「晴天の風」をしっかり表現出来ていたと思います。自由曲は音量が大きくなっても音色が崩れずに、まとまって聴こえました。課題曲とは違って重厚な音で、とても迫力のある演奏でした。

2.東海代表 長野県長野高等学校 (長野県)
課題曲:V セリオーソ
自由曲: 3つの交響的素描「海」より V.風と海との対話 (C.ドビュッシー 作曲)
成績: 銅賞
●古川さん:課題曲は基本的に音一つひとつの長さが長いので、丁寧に演奏されていたのもありますが、一つひとつの音に対する表現や気持ちがとてもこもっていたように思いました。自由曲はスラーで音が流れているところも音の立ち上がりがはっきり聴こえていたので、よりまとまりのあるサウンドのように思いました。
●辻本くん:課題曲はまとまった響きのある演奏で音に対する集中力があるように見えました。自由曲も課題曲と同じで音に対する集中力が高いように見えました。また、音の出だしから処理まで意識しているように見えました。

3.西関東代表 埼玉県立松伏高等学校 (埼玉県)
課題曲:V セリオーソ
自由曲: 「竹取物語」より (三善 晃 作曲)
成績: 銅賞
●古川さん:課題曲は金管のクレッシェンドによって木管のメロディーがより強く、そして堂々とした音色に聴こえました。打楽器の最後の音の消し方も決まっていて素晴らしかったです。自由曲はピッコロのソロが印象的で、マーチの時のような角の立った音色ではなく木独自の優しい音色がして、とてもきれいでした。
●辻本くん:課題曲は音楽の流れが非常に良く、曲の後半の吹き方も良かったと思います。最後の音のブレンド感も良かったと思います。自由曲も音がきれいにブレンドされていて、まとまって聴こえていたと思います。また、曲想の変化の表現が上手だと思いました。

4.東京代表 八王子高等学校 (東京都)
課題曲:V セリオーソ
自由曲: 交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」 (R.シュトラウス 作曲)
成績: 銀賞
●古川さん:課題曲は一瞬音が消えてフルート、クラリネット、オーボエのメロディーが出てくる始めの音にとても緊張感があり、フルートのソリも1stから2ndへの受け渡しがスムーズに出来ていました。自由曲は課題曲とは違って明るい音色の音で、ダイナミックスもしっかりつけられていて聴いていて楽しい気分にさせてくれました。ソロも難しそうな感じでしたが、堂々と吹かれている姿が何より眩しかったです。
●辻本くん:課題曲は金管のサウンドが重厚で、木管はスピード感のある透き通る音だったと思います。自由曲はクラリネット、サックスがよくブレンドしていると思いました。ホルンもよく鳴っていたと思います。各キャラクターが上手く活きているように思いました。

5.九州代表 原田学園鹿児島情報高等学校 (鹿児島県)
課題曲:T ブライアンの休日
自由曲: 交響曲第2番「オデッセイ」より (R.スミス 作曲)
成績: 銀賞
●古川さん:課題曲はトロンボーンのオブリガードがまとまりのある音で、2階席までしっかり聴こえてきました。トリオからは金管のリズムに乗った木管のメロディーがテンポをキープしつつ、落ち着いた音色を奏でていました。自由曲はホルンのソロの深い響きのある音が心に残りました。また、最後の音でバンドの一体感がより深まったように感じました。
●辻本くん:課題曲は表情豊かな演奏で音楽性のある演奏だと思いました。特にトリオからのクラリネットの音色が良かったと思いました。自由曲は華やかな音色としっとりとした音色、豊かな音色など、音色の変化が良かったですし、全体的に幻想的な曲で良かったと思いました。

6.東北代表 宮城県泉館山高等学校 (宮城県)
課題曲:V セリオーソ
自由曲: 交響組曲「寄港地」より V.ヴァレンシア (J.イベール 作曲)
成績: 銅賞
●古川さん:課題曲は一つのフレーズが終わってまた新しく入る時に集中力を高めて吹いているのが伝わりました。自由曲は始めのホルン、木管楽器のユニゾンのメロディーがよく合わせられているように思いました。また、全体的に中低音の音にとても厚みがあり、バンド全体を包み込むような響きが出来ていました。
●辻本くん:課題曲は曲の構成をきちっと理解して、自分が吹いている時に他の人の音を聴いて吹いているように思いました。自由曲は同じ各声部がよく合わせられており、そのことで各声部がよりしっかりと聴こえてくる立体的な演奏でした。

7.九州代表 精華女子高等学校 (福岡県)
課題曲:T ブライアンの休日
自由曲: フェスティバル・ヴァリエーション (C.T.スミス 作曲)
成績: 金賞
●古川さん:課題曲は全体的に明るい音色で、元気な感じで雰囲気が良かったです。トリオのff(フォルテシモ)もしっかり理解して演奏されていながらも、楽譜に忠実に演奏されているのが分かりました。自由曲の始めはホルンのハイトーンのメロディー豊かな響きで奏でられていました。全体的に言えば穏やかなメロディーと軽快なメロディーの音色の使い分けがしっかりされていたので、もっと聴いていたいような演奏でした。
●辻本くん:課題曲は広がりのある豊かなサウンドで鳴っていたと思います。伸びのある演奏で好演だと思いました。自由曲は堂々とした演奏で圧倒されました。中間部のホルンのソロ、テューバのソロ、ファゴットのソロも良かったと思います。難曲をすごいレベルで仕上げていて、高校生離れした演奏でした。

8.四国代表 愛媛県立北条高等学校 (愛媛県)
課題曲:U マーチ「晴天の風」
自由曲: パンソリック・ラプソディ (高 昌帥 作曲)
成績: 銅賞
●古川さん:課題曲は「晴天の風」という曲名にふさわしい明るい音色でした。トリオに入ると曲の雰囲気は落ち着いていましたが、明るさは最後まで絶えない演奏でした。自由曲はソプラノサックスのソロに見とれてしまいました。豊かな音色がホール全体に広がっていて素晴らしいソロでした。バンド全体としては、細かいリズムまでしっかり合わせられていて奥の深い仕上がりだったと思います。
●辻本くん:課題曲は軽快で活き活きとした演奏だったと思います。メロディーが流れるような、推進力のある歌い方で非常に聴きやすかったです。自由曲は各声部がバランス良くまとまった演奏だと思いました。それでいてf(フォルテ)やff(フォルテシモ)のところは迫力のある音で、p(ピアノ)やpp(ピアニシモ)の所は繊細できれいでした。

9.東関東代表 柏市立柏高等学校 (千葉県)
課題曲:W 天馬の道 〜吹奏楽のために
自由曲: ウインドオーケストラのためのマインドスケープ (高 昌帥 作曲)
成績: 金賞
●古川さん:課題曲は一番始めの音のハーモニーから鳥肌が立つほど美しい音でした。金管楽器のきっちり揃ったリズムと、木管楽器の横に流れる軽快で細かい動きのメロディーのバランスがとても取れている演奏でした。打楽器の音でさらにバンドに盛り上がりがプラスされていたような気もします。自由曲はリズム、音色など全てにおいてまとまりが感じられる演奏でした。また、このバンドは聴いて伝わるものだけでなく、何か見て伝わってくるものも感じられました。
●辻本くん:課題曲は音楽的で表現力の高い演奏でした。丁寧な演奏で音色が透き通っていました。クオリティの高い音楽だったと思います。自由曲も同じで調和のとれたレベルの高い演奏だと思いました。音色感が聴いていてとても心地が良かったです。

10.北陸代表 金沢市立工業高等学校 (石川県)
課題曲:T ブライアンの休日
自由曲: 左手のためのピアノ協奏曲 (M.ラヴェル 作曲)
成績: 銀賞
●古川さん:課題曲Tの「ブライアンの休日」はフレーズの到達点がしっかり聴こえる演奏であり、音の長さの吹き分けや、異なったパート毎同士のリズムもよく合わせられていました。自由曲では滅多に見ることのないテューバのミュートが登場し、その大きさにびっくりしました。あと、音量が大きい時と小さい時の響きの聴こえ方に差がなくて、p(ピアノ)の時でも2階席まで十分響きの届くサウンドでした。
●辻本くん:課題曲はよく合わせてあるように聴こえました。まとまりのあるよくブレンドされた音でテンポ感も変わらず、マーチの良さが上手く表現出来ていたと思います。自由曲はダイナミックスの差が巧みで、それぞれの音量の時にそれぞれの表情をしっかり出しつつ、響きのある音を会場全体に奏でていました。

11.西関東代表 埼玉県立伊奈学園総合高等学校 (埼玉県)
課題曲:U マーチ「晴天の風」
自由曲: 「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 ニ短調」より シャコンヌ (J.S.バッハ 作曲)
成績: 金賞
●古川さん:課題曲Uのマーチ「晴天の風」は透き通るような音色が印象的でした。テューバ(低音)の音にまとまりがすごくあって、そのお陰で高音楽器の音色にゆとりを感じることが出来たような気がします。自由曲もやはり中低音の響きがすごくあったので、高音楽器が良い意味で浮き立って聴くことができました。メロディーラインの流れも最後まで途切れることなく、いつまでも進み続けているようでした。全体的に木管楽器がよく響いていて落ち着いた演奏だったと思います。
●辻本くん:課題曲は音楽性が豊かで、音色は華やかで、でも繊細で、音程も狂いのない、透き通るような演奏でした。また、低音の曲の運び方、中音の響き、高音の音色についてもとてもクオリティの高い演奏でした。自由曲は音楽の流れがスムーズで、その中でも歌い込むことで個々の技術、音楽性の高さが感じとれる演奏でした。

12.東海代表 安城学園高等学校 (愛知県)
課題曲:U マーチ「晴天の風」
自由曲: 序曲「謝肉祭」 (A.ドヴォルザーク 作曲)
成績: 銀賞
●古川さん:課題曲は、最初意外と落ち着いた優しい音色で始まり、メロディーの主役がトランペットに移った瞬間に題名のような「晴天」という感じの音色に変わる演奏で、全体としては少し優しめの「晴天の風」の印象を受けました。自由曲は課題曲に比べると軽快で明るい印象がありましたが、穏やかなメロディーに入った時に改めて曲の美しさが感じられ、このバンドは優しい音色を出すのがとても上手だなぁと思いました。
●辻本くん:課題曲は爽やかな冒頭で始まり、活き活きとしたメロディー、中間部の歌うところ、終盤の華やかなところと変化のはっきりとわかるマーチでした。自由曲からは演奏者がとても音楽に積極的だという印象を受けました。また、個人の表現力が高いために会場に伝わってくる音楽が非常に豊かでした。

13.中国代表 出雲北陵高等学校 (島根県)
課題曲:W 天馬の道 〜吹奏楽のために
自由曲: ディオニソスの祭 (F.シュミット 作曲)
成績: 銀賞
●古川さん:課題曲は初めの木管楽器の高音の音色がとても丁寧に演奏されていました。特にダイナミックスが上がる時の音の広がりがすごくあって、心に残る演奏でした。自由曲は木管楽器だけでなく金管楽器の速いパッセージもよく練習されている感じがしました。盛り上がるところでは木管楽器では出せない音圧を金管楽器が出していたので、すごく力強い演奏でした。
●辻本くん:課題曲は落ちついた丁寧な演奏だと思いました。音のブレンド感も良く、響きがとてもまろやかに聴こえました。自由曲も課題曲と同じようにとてもまとまった演奏だと感じました。細かいパッセージなどがはっきり聴こえて曲の内容や曲想がわかりやすかったです。

14.北海道代表 東海大学付属第四高等学校 (北海道)
課題曲:V セリオーソ
自由曲: 歌劇「トゥーランドット」より (G.プッチーニ 作曲)
成績: 金賞
●古川さん:課題曲は木管楽器の音の響きが太くて、一つひとつの楽器は小さくてもセクションとしてのまとまりがすごく感じられました。それに比べ自由曲は迫力のある出だしで、課題曲とは180度違った印象を受けました。また、アルトサックスの有名なメロディーのソロは本当に素晴らしく、その後の木管楽器、金管楽器それぞれのセクションのメロディーもこのコンクールを締めくくるのにとても良い演奏でした。
●辻本くん:課題曲は高校生とは思えないクオリティの高い演奏で、余分な響きがなくまとまっていて、吹いている音に説得力のある演奏でした。自由曲もレベルの高い演奏で感動しました。コンクールの最後に聴けて良かったです。特にアルトサックスのソロが素晴らしく、後半の盛り上がりも上手だと思いました。

【全体の感想】
●古川さん:中学生の時から抱いていた「普門館に行きたい!」という夢がやっと叶いました。来て最初に感じたことは、会場内がとにかく私の想像を絶する人の多さで、本当に驚きました。演奏が始まる前の緊張感のある空気も、大阪府大会や関西大会とは比べものになりませんでした。演奏については、正直ずっと鳥肌が立つほどのサウンドでした。どの団体も本当に素晴らしいとしか言い表せない演奏で、表現力や音色についてはそれぞれの学校や曲想によって様々だったので、とても勉強になりました。特にこのコンクールを通して今回私が学んだことは、演奏する曲を聴いている人にどれだけ表現できるか、一人ひとりが「聴いてくれている人がいる」ということをどれだけ思って堂々と吹けるか、音色の透明感はどうすれば作っていけるのか、ということです。私は今日観客の一人として普門館に来ましたが、これから更に気合いを入れた練習を重ね、来年は部員みんなで奏者としてこの舞台に立ちたいと思います。
●辻本くん:今回普門館に来て一番感じたことは、奏者一人ひとりが音楽に積極的で、表現力に溢れているということです。個人の技術の高さも当然あるのですが、バンドとして全国レベルにまとまっているように思いました。指揮者が奏者を引っぱるのではなく、指揮者と奏者が一体となり、本当にどの団体も素晴らしい演奏をしていました。音色や音程、出だしや処理、それらの技術などはもちろん、各個人の持っている音楽性、それら全てが素晴らしく、さすが全国大会だと思いました。この経験が無駄にならないように、常に自分たちと何が違うのかを考え、これからに活かしていけるようにしていきたいです。また、自分も基礎練習で技術を磨き、CDや演奏会を聴いて感性を養い、それぞれをバランス良く伸ばしていきたいです。そして、来年は普門館の舞台に立てるように今日から努力していきます。