演奏会レポート

PR情報

河合塾

河合塾

オープンキャンパスへ行く準備してる?

演奏会レポート

自分が聴きに行った演奏会や、
参加した演奏会を、レポーター独自の視点でみんなに紹介。
学生レポーターも募集中です!

演奏会レポート

レポートの投稿はこちらから!

演奏会レポート特別企画

演奏会レポート特別企画




携帯サイトからも
Brass Fun 掲示板や
演奏会情報に
アクセスできます。

http://we-love-brass.jp/i/
演奏会レポート【15】 全国目指して真剣勝負! 関西吹奏楽コンクール
■レポーター: 「We Love Brass」編集部
■演奏会: 第60回関西吹奏楽コンクール
平成22年8月29日(日) 京都会館(京都府京都市)
 
 残暑の厳しい8月29日、京都会館で行われた関西吹奏楽コンクール高等学校の部Aを聴きに行ってきました。会場には早くから大勢の人が列を成し、この大会にかける期待の高さがうかがえました。
 演奏に関しては本当にどの学校も素晴らしく、熱意の溢れる音楽を聴かせてくれました。その中からいくつかの学校に関して、不肖ながらコメントさせていただこうと思います。

7.私立天理高等学校 (金賞・代表)
 課題曲 I 、自由曲「バッハの名による幻想曲とフーガ」ともに音の質が非常に高く、迫力あるボリュームを出しつつもその品質を下げることがなかった点に、高い実力を感じました。選曲がどちらも得意分野なのかもしれませんが、全体としても非常に綺麗にまとまっている印象を受けました。
9.兵庫県立伊川谷北高等学校 (銀賞)
 課題曲II はフワッとまろやかな音が心地よく、2拍子のリズムの大らかさが感じられました。自由曲「優位な曲線 ヴァシリ・カンディンスキーに寄せて」は、初めて聴く曲だったのですが、音が大切に作られていて、独特な曲調から不思議な世界観が生まれていました。ダイナミクスも丁寧で、木管のソロの表現力も見事。とても綺麗に響いていました。
10.私立プール学院高等学校 (銀賞)
 課題曲は人気のIV。音量のバランスが良く、迫力ありながらも綺麗な音色という印象でした。自由曲「交響詩『ローマの祭』より」も、バンドの気合いが伝わってくるような演奏で、空気の震えを実感するような演奏でした。
18.私立明浄学院高等学校 (金賞・代表)
 全体を通してとにかく音の綺麗さを感じました。課題曲IVでも、例えば数人のトランペットが吹いているはずなのにまるで一人で吹いているかのような、一つの綺麗な音に聴こえました。音量が上がってもピッチの安定感は抜群。自由曲「ウインドバンドのためのマインドスケープ」も変わらず綺麗な音で、音程が揺れたり音量の減少幅にムラが出たりしがちなデクレッシェンドも、ごく自然に音が小さくなり、表現力の高さを感じました。途中クラリネットパートが客席側を向いて演奏するシーンもあり、一つの音楽をどうやってバンドから作り出すかという心配りが感じられました。最後のトゥッティもキリッとして清々しい音でした。
20.私立早稲田摂陵高等学校 (銀賞)
 課題曲II は安定感のある軽やかさ。途中の複雑なスネアドラムは、この学校が一番上手だったのではないかと思わせる安定感でした。自由曲の「交響組曲『寄港地』」は変拍子の曲ですが、やはり打楽器セクションの安定感がバンド全体を支えていました。エキゾチックな音づくり、軽く跳ねていくような音符、曲としてのまとまり感は流石としか言い様が無く、まさに早稲田摂陵だからこその「寄港地」という印象でした。
21.私立大阪桐蔭高等学校 (金賞・代表)
 課題曲III は曲の構成としてバンドの実力が見えやすい曲だと言われていますが、音がばらけてしまうこともなく不思議なまとまり感を持って聴こえました。よく研究されていたのかも知れません。琉球音階・5拍子の曲ですが、指揮法が独特で、ゆるやかに踊るような動きでした(そして梅田先生は今年も軽やかに跳んでくださいました)。自由曲「『レクイエム』より」は、木管と金管がとてもバランスよく響き、音の広がりが非常に伸びやかな印象を受けました。途中でトランペットが一人舞台下手へ移動し演奏する演出もあり、ホールの中でどのように音を響かせるか、どんな音楽を客席に届けるかという心配りが感じられました。
特別演奏 大阪府立淀川工科高等学校
 3年連続全国大会出場を果たした淀工の特別演奏。「アルメニアン ダンス パートT」は今までも多くの学校で様々な演奏をされている曲ですが、淀工らしい柔らかく上品な演奏でした。「コンクール」という気負いがないせいかも知れませんが、どこかロマンティックな印象さえ受けるほど。音づくりが大切になされていて、全体の柔らかな音のまとまりの中に鮮烈に響き渡るトランペットなど、聴きどころが沢山でした。「カーベンターズ セレクション」もとても良いノリで観客を大いに楽しませてくれました。表彰の後にはサプライズのアンコールがあり(丸谷先生も思わぬ事態だったようでしたが)、ポップスメドレーを演奏してくれました。今年はコンクールへの出場はありませんが、コンクールでは出来ないような体験を、生徒達もまた出来たのではないかと思います。

 今回は全体を通して、思いのほか採点が厳しいように感じましたが、審査員の方々も様々な葛藤の中、できるかぎりの配慮をされての成績なのだと思っています。一方で、皆さんが今日この舞台を目指して今まで練習を重ねてこられたからこそ、そこに与えられる成績が喜びや悔しさ、さらなる向上心をもたらしてくれるのだと思います。そういった気持ちが、これからの皆さんの音楽表現にますますの深みを与えてくれることを願っています。
 最後になりましたが、見事全国大会への切符を勝ち取った私立天理高等学校、大阪府立淀川工科高等学校、私立大阪桐蔭高等学校の皆さん、全国大会でも素晴らしい演奏を聴かせてくれることを楽しみにしています。



演奏会レポート【14】 50余年、阪急少年音楽隊のサウンドを受け継いで
■レポーター: 「We Love Brass」編集部
■演奏会: 早稲田摂陵高等学校ウィンドバンド 第51回定期演奏会
平成22年2月13日(土)[夜の部] ザ・シンフォニーホール(大阪府大阪市)
 
  去る2月13日、早稲田摂陵高等学校ウィンドバンドの第51回定期演奏会に行ってきました。阪急少年音楽隊から阪急商業学園、向陽台高等学校ウィンドバンド、そして早稲田摂陵高等学校ウィンドバンドと、50余年の歴史を受け継ぐ定期演奏会とあって、会場は学生はもちろんのこと、長年このサウンドを楽しみに来られている多くのファンで埋め尽くされていました。

  第1部フォーマルステージは、演奏会の幕開けにふさわしく若々しく弾むサウンドでスタート。「ジュビリー・オーバーチュア」「シャイン・アズ・ザ・ライト」と華やかな曲が続き、今日はどんなステージで私達を楽しませてくれるのか、
期待を誘うオープニングでした。変わって3曲目は「アルチュニアンのトランペット協奏曲」。民族色と哀愁を帯びた音色、そして切々と歌うようなトランペット独奏(大阪フィルハーモニー交響楽団秋月氏による)に聴き入ってしまいました。そして第1部最後の「バレエ組曲『ガイーヌ』」は、ドラマティックで華やかなサウンド。さまざまな音の表情を楽しませてくれる第1ステージでした。

  第2部ゲストステージは、阪急少年音楽隊・阪急商業学園・向陽台高等学校吹奏楽コースの卒業生合同バンドによる演奏。演奏者の数も倍ほど(80人以上?)に増え、華々しく迫力あるオープニングファンファーレに圧巻! クラシックでもなじみの深い「喜歌劇『軽騎兵』序曲」や「ラデツキー行進曲」を聴かせてくれました。さまざまな年代の奏者で構成されたバンドの音色は深みがあり妙技にあふれ、取分けロマンスグレーな紳士のピッコロに耳も目も引き寄せられてしまいました。この合同バンドの堂々たる演奏からは、伝統を継いできた層の厚さや、音楽を、そしてバンドを愛するスピリットが熱く伝わってくるようでした。「ラデツキー行進曲」では西出先生が観客席に向かって指揮を振られ、私たちもその演奏に手拍子で参加。会場は温かい雰囲気に包まれました
  第3部カジュアルステージは、指揮者の川口先生がなんと観客席の真ん中から登場。早稲田摂陵高等学校ウィンドバンドの生徒たちも観客席の間を歩きながら演奏をスタートするという、サプライズな演出で始まりました。衣装もマーチング用に変わり、一層凛々しく見えました。
  今年のマーチアルバムは応援歌“ジャパニーズ・ファイトソング”! 「阪急ブレーブス応援歌」や早稲田大学応援部で使用されている「コンバットマーチ」など普段ステージでゆっくり聴くことのない応援歌をメドレーで披露してくれました。元気な演奏に歌声やエールも加わって、このステージのメッセージ通り「元気のプレゼント」をたくさんもらいました。
  続いて「ミュージカル『ミー&マイガール』」。トランペットとフルートのソロの掛け合いは、まるで恋人同士が会話をしているような優しさ溢れる演奏。井上先生の指揮もまるで歌っているようで、ミュージカルのさまざまな場面が感情豊かに表現されていました。メドレーなのでさまざまな曲調が混在していましたが、リズムの変化や音色などの切り替えが本当に鮮やかでした。
  最後は「ミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』」を早稲田摂陵高等学校ウィンドバンド・オリジナルバージョンで。和声の美しいテーマ曲や「エーデルワイス」などの名曲を、随所に歌や各楽器セクションの見せ場を設けながら聴かせてくれました。おなじみのナンバー「ドレミの歌」では、ハンドベルのようにチャイムを1本ずつ外して演奏。さまざまなパフォーマンスで目と耳を存分に楽しませてくれる、本当に素晴らしいエンターテイメントでした!

  その後のアンコールでは、伝統あるステージマーチングを披露。限られた舞台の大きさにも関わらず、「こここそ本領」と言わんばかりの圧巻のステージを見せてくれました。キリリとした立ち居振る舞いに美しい行進、華やかな技、磨かれたパフォーマンスと演奏から目が離せません!生徒さんたちの本当にきらきらとした姿や笑顔は観客をハッピーにしてくれました。
 そして指揮者の先生方と卒業する3年生へ花束が贈られ、そのまま卒業のセレモニーが行われました。西出先生から、早稲田摂陵高等学校吹奏楽コースの1期生として確かな基盤を築き上げてきたことを称えられ、ステージ上で3年生21名の名前が一人ずつ呼び上げられました。3年生の皆さんの表情は晴れ晴れとしていて、充実感と誇りに満ち溢れていました。ラストは早稲田摂陵高等学校ウィンドバンド1、2年生による「ほたるの光」「今日の日はさようなら」などの卒業式メドレーで、3年生を温かく送り出しました。その光景に私たちも思わず涙が☆☆

本当に盛りだくさんな内容で、豊かなサウンドと華麗なパフォーマンスの数々を見せていただきました。また、音楽による人とのつながりや吹奏楽の楽しさを共感させていただけたことを幸せに感じます。