兵庫県吹奏楽コンクール県大会 直前インタビュー

【2007年8月5日 日曜日】

合田先生
取材班:
まずは、去る7月27日(金)に開催された兵庫県吹奏楽コンクール東播地区大会での金賞受賞並びに県大会出場おめでとうございます。今の率直な気持ちをお聞かせください。
合田先生:
県立農業高等学校は昨年大編成(高校A)で初めて県大会に出場することが出来ました。そして今年、昨年の成績がたまたまと言われないためにも、私自身県大会へ行くのと行かないのとでは全然違うという気持ちがありました。しかし今年は2・3年生が少なく1年生が多い、1年生主体のバンドなので、正直「県大会出場を勝ち取るにはしんどい年やなぁ」と思っていました。それでも「何としてでも県大会に行かなあかん」という僕の思いに応えようと、生徒達も毎日一生懸命練習してくれました。その結果、何とか県大会出場の夢を果たすことができ、今は「何よりやなぁ」と思っています。
取材班:
この学校の特徴をお聞かせください。
合田先生:
うちの高校は農業高校なんで、授業カリキュラムに普通教科プラス農業の専門科目が入ってくるんです。「総合実習」では実際に作物や家畜を扱ってるんで、生徒にとっては、体育以外でも結構体力が必要な学校やと思います。放課後にも当番に当たれば5日間の「総合実習」がありますね。
取材班:
普段、部活の練習時間はどのくらいですか?
合田先生:
合田先生 授業が終わるのが午後3時10分なので、それから部活の時間になります。ただし、午後5時半から定時制の授業が始まるんで、部活の練習も平日は基本的に午後5時半で終わります。その間に生徒によっては「総合実習」が入ることもあるんで、クラブ活動の環境としてはあまり良いとは言えませんね。でもだからこそ「いいクラブにしたい」「コンクールでも上位にいけるようなクラブにしたい」という思いを持って、みんなで日々努力をしています。
取材班:
ではしっかりと練習ができる時間が取れる日となると、土・日曜日になるんでしょうね。
合田先生:
そうですね。でもコンクール前などはもっと練習時間が欲しいので、夜は定時制の生徒が使用しないちょっと離れた別の校舎で、練習を行なうようにしています。
取材班:
県立農業高等学校吹奏楽部の生徒からはよく「県農サウンド」という言葉を耳にしますが、先生が考える「県農サウンド」とは一体どんなサウンドですか?
合田先生:
僕は生徒達に、「客席の向こうに自分達の思いがちゃんと届くような、そんなあったかい音を出そう」とよく言います。もっと言うなら、40人なら40人分のサウンドをきちんと一つの音にして、会場の客席の向こうに届けるということです。そんなサウンドを僕達は「県農サウンド」と呼んでいます。
取材班:
今年のコンクールで課題曲Ⅳマーチ「ブルースカイ」と自由曲『歌劇「トスカ」より』を選ばれた経緯をお聞かせいただけますか?
合田先生:
まず課題曲のほうは消去法というか、4つある課題曲の中ではⅣのマーチ「ブルースカイ」が生徒にも僕にもまだ馴染みやすく、「これでひと夏越せるかなぁ」と思いまして。自由曲の方は、昨年・一昨年と2年連続でG.プッチーニ作曲の『歌劇「トゥーランドット」より』をコンクールでやってみて、僕自身歌モノの良さと言いますか、メロディックな部分にハマってしまいました。それでもう1年、僕自身が歌モノに挑戦したいという気持ちになり、今年はG.プッチーニ作曲の『歌劇「トスカ」より』をやろうということになりました。
取材班:
ある生徒が「『歌劇「トスカ」より』は歌の世界の表情を表現するところが面白いんです!」と私達に話してくれましたが、先生が魅かれる歌劇の面白さはどこにありますか?
合田先生:
合田先生 歌劇の場合、楽譜通りに進行しないことは珍しくありません。例えばテンポなんかは表情に合わせて緩めたり、急かせたり、次テンポを変えたりっていうことがありますね。そういった部分を生徒達と阿吽の呼吸で作り上げることが僕にとってはたまらなく面白いですね。
取材班:
兵庫県吹奏楽コンクール東播地区大会での県立農業高等学校の演奏に対する審査員の講評はいかがなものでしたか?
合田先生:
自由曲については「音が雑である」というコメントが結構書かれていましたね。音楽自体は「そんなに悪くはない」という評価だったんで、やっぱり一つの音に対する丁寧さが無かったんでしょうね。しかし、それを実現するには個々の演奏技術が関係してくるので、地区大会が終わってからは「もっともっと一つひとつの音を大切にして、出来るだけ響きのある音を出すように!」と生徒達には言い続けています。課題曲については、やっぱりマーチだけに流れに関することがたくさん書かれていましたね。僕達の曲の流れが悪かったということでしょう。
取材班:
その辺りの反省点を踏まえて、コンクール県大会に向けて生徒達にはどのように指導されていますか?
合田先生:
コンクールの地区代表にはなったものの、演奏のクオリティとしてはまだまだ課題曲も自由曲も正直低いと思うんですね。実際吹けていない部分もたくさんあるんで、とりあえず「一人ひとりのクオリティを上げていこう!」って生徒達には言っています。また、「今まで僕が言ってきたことを各自もう一度確認して、今より少しでも高いレベルまで持っていこう!」とも言っています。
取材班:
県立農業高等学校吹奏楽部は音楽面でも技術面でもまだまだこれから伸びていくクラブだと思うのですが、現時点で先生が思う、「県農吹奏楽部のいいところ」をお聞かせください。
合田先生
合田先生:
いいところですか・・・。音楽的なことではないんですけど、ここぞという時に生徒達に集中力がありますね。彼らの気持ちがね、音楽を通じて前に出てくるんですよ。そんな時は僕にも何かこう胸に来るものがありますね。
取材班:
先程音楽室で少し練習を見させていただいたのですが、一つの練習が終わるごとに生徒達が次々と手を上げて、「この部分はもっとこう演奏したほうがいい」といった意見を積極的に発表していました。このような形で生徒達が練習を進めていくのは今年からだそうですが、先生からするととても嬉しいことじゃないですか?何も考えずにぼーっとただ音を出すのではなく、自分たちであれこれ考えながら音を出すわけですから、自ずと演奏レベルも上がってくると思いますよ。
合田先生:
そうそう、あれは生徒達が自分達で「やろう!」って決めて始めたんです。僕としてもそりゃあやっぱり嬉しかったですね。僕が県農に来て今年で8年目になりますが、生徒一人ひとりを見たらまだまだ幼い奴がたくさんいるんです。でも練習の中身としては、ようやくレベルの高いことが出来始めたかなとは思っています。
取材班:
先程部長にコンクール県大会の目標をお聞きしたら「ズバリ金賞!」とお答えいただき、私達も大変頼もしく感じたのですが、先生の県大会での目標をお聞かせください。
合田先生:
合田先生 自由曲で言えば先程お話した通り、生徒達と阿吽の呼吸をもって緩急のついた音楽がきっちり揃うところを、観客に聴かせることが出来たらいいなと思っています。あと、上手い下手ではなく「このバンドってまとまっているよな」という部分が客席まで伝わる演奏が仮に出来たら、僕にとって「このコンクールは成功かな」って思っています。


取材班:
生徒達にお話を伺うと、合田先生の熱血指導は彼らに大変評判がいいですね。部長もそんな合田先生がいるからこの学校に入学したとお聞きしました。先生ご自身では「自分は熱い指導者だなぁ」と思われますか?
合田先生:
僕ですか、確かにそうかも知れませんね。やっぱり何事にも手は抜きたくないと言うか、同じやるんなら100%の気持ちで生徒にぶつかっていきたいという思いがありますんで。
取材班:
コンクール前のお忙しい中、インタビューにご協力いただきありがとうございました。