キーワード(2) 「明るい!」「楽しい!」 小谷康夫先生

小谷康夫先生

指導員として学外から吹奏楽部の指導に来られている小谷先生は、なんと現役のプロのパーカッション奏者で、現在大阪シンフォニカー交響楽団で首席ティンパニ奏者として活躍されている。吹奏楽の指導経験も豊富で、1993年~96年には同校吹奏楽部の指揮者を務め、その間吹奏楽コンクールの関西大会に4回も出場を果たした名指導者である。また、小谷先生は実に陽気で明るい性格で、その人柄がクラブ全体の雰囲気を明るくしてくれる。先生に「演奏中に一番気にしていていることは何か?」と尋ねると、「部員一人ひとりの意志がちゃんと音に表れているか」「自分自身が自主的に音楽を楽しめているか」ということが一番とのことで、音程やリズムをしっかり合わせることは先生にとっては二の次のようだ。生徒の自主性を重んじる小谷先生の考え方は、挨拶一つをとっても徹底している。機械的にみんなで声を揃えて挨拶するのではなく、バラバラになってもいいから生徒一人ひとりのタイミングで心を込めて挨拶をするように指導したほどだ。

小谷康夫先生

生徒たちに小谷先生について聞くと、「楽しく厳しく教えてくれる先生」「面白くて優しい先生」「ONとOFFのメリハリがはっきりしている先生」といった意見がよく聞かれた。楽しいだけでなく、かといって厳しいだけでもない、そんなメリハリのついた指導が生徒たちの自由で豊かな表現力を生み出しているようだ。また一方で、「いつも私たちの事を考えてくれている先生」「音楽的にも人間的にも尊敬できる先生」といった意見も多数聞かれた。外部講師という立場にも関わらず生徒からの信頼がとても厚いことが窺われる。それを端的に示すエピソードとして、生徒たちは口々に夏合宿での出来事を教えてくれた。それは厳しい合宿中の合奏の最中、小谷先生が感動のあまり急に涙を流し、生徒たちもその光景にもらい泣きをした出来事だ。そんな涙の合奏後に小谷先生が発した「みんなとても上手になった」という言葉がとても嬉しかったようで、今でも生徒たちの心に深く刻まれているそうだ。  
小谷康夫先生 ポップス曲の合奏ではいつも自らドラムを叩く小谷先生。その演奏は先生も生徒たちもとにかくみんながノリノリで、見ている方も楽しくなる演奏だ。正直、私達取材班も練習でこんなに楽しそうに合奏する吹奏楽部を今まで見たことがない。音楽をこよなく愛し、生徒たちに音楽の楽しさを伝えようとする小谷先生のその姿勢と、それに応えようとする生徒たち。両者が上手くかみ合うことで、今の近高サウンドが生み出されているのがよくわかった。