近畿大学附属高等学校吹奏楽部
部長 青木良治先生 顧問 渡邉靖文先生

部長 青木良治先生 顧問 渡邉靖文先生
プロフィール 部長 青木良治先生

昭和62年4月、大阪府立高槻北高等学校へ入学、吹奏楽部に入部しテューバを担当。さらに高校在学中に高槻市音楽団管楽部へも入団。両団体において、横島勝人氏(現在、指揮者として活躍中)より吹奏楽の指導を受ける。
大学を卒業し就職後は吹奏楽からは遠ざかっていたが、高校教師へ転職。平成15年4月、近畿大学附属高等学校の常勤講師着任と同時に、同校吹奏楽部顧問となる。
平成17年4月より、同校吹奏楽部部長に就任。

プロフィール 顧問 渡邉靖文先生

平成5年、名古屋市立日比野中学校に入学、吹奏楽部に入部しトロンボーンを担当。
平成8年、愛知県立名古屋南高等学校に入学。中学時に引き続き吹奏楽部に入部後トロンボーンを担当、吹奏楽コンクールの東海大会にて銀賞を受賞する。
平成12年、近畿大学入学。専攻は音楽と全くかけ離れた「物理学」。クラブでは吹奏楽を一旦離れて近畿大学文化会交響楽団に入団、トロンボーンを担当する。大学3・4年生では、学生指揮として演奏会などで指揮を振る。
平成18年、大学院修士課程を経て近畿大学附属高等学校へ理科教員として赴任。同時に吹奏楽部顧問となる。

取材班:
近畿大学附属高等学校及び同校吹奏楽部の特徴をお聞かせください。
青木先生:
近畿大学附属高等学校は生徒数が約3,000人と学校そのものの規模が大きく、クラブ活動では全国的に名を馳せる強豪クラブが非常に多いのが特徴です。また、進学の方にも力を入れておりまして、かなり多様な面を併せ持った学校だと思います。 吹奏楽部においては、特進コースで勉強を一生懸命やりながらクラブ活動にも意欲をもって頑張る生徒、クラブ活動を中心としたスポーツクラスに籍をおいてクラブ活動を一生懸命頑張る生徒、そしてちょうどその中間のバランスを取っている生徒、これらの生徒たちが同じクラブに集まり同じ大会に出場するという状態なので、なかなかそういう意味では意志の統一が難しく、お互いの立場をお互いに理解していくことが一つの大きな課題でもあります。ただ、そういったことを生徒たちは乗り越えていきますので、その分、部員数は若干少なめではありますが、59名の団結力と言いますか非常に信頼感を持って仲良くやってくれています。まぁ、たまにケンカもしますけどね(笑)。
それが吹奏楽部の特徴だと言えます。
渡邉先生:
青木先生/渡邉先生当校の吹奏楽部の部員数は59名で、傍から見ると少数精鋭でやっているという印象を受けるかも知れませんが、中には高校から始めた初心者の生徒も何人かいて、各自がそれなりに努力しているのが窺えます。またこの学校は生徒数が多いので、生徒たちにはものすごくいい経験ができる環境じゃないかなと思います。現に、吹奏楽だけでなく他のクラブの雰囲気なども聞きながら、お互いに刺激しあって練習しているのは傍にいてすごく感じますね。
取材班:
授業カリキュラムはクラブ活動が行いやすいように組まれているのですか。
青木先生:
スポーツクラスについては、授業が1限目から6限目までで、その後に集中してクラブ活動を行う形をとっています。逆にそれ以外のクラスは進学校という面がありますので、7限目まである日が週に最低2回はあります。だからクラブ活動を行う時間自体もずれてきます。そういう意味では、クラブ活動を行える時間の制約はどちらかというと厳しい方かも知れませんね。
だからといって「できないからそこそこにやりましょう」というスタンスで活動するクラブは逆に少なくて、野球ならそれでも甲子園、サッカーならそれでも全国大会、他にもラグビー部、柔道部、バスケットボール部など全国的に名を馳せるクラブもその時間の制約の中で一生懸命練習しています。
取材班:
近畿大学との高大連携はどのような形でとられていますか。
青木先生:
近畿大学と近畿大学附属高等学校とは当然ながら強い連携を行なっています。まず進学のバックアップに関しては、高校3年間の評定平均値や校内で受けた模試の成績をトータルで判断し、その結果無試験で近畿大学に進学していく制度があります。実際この制度を利用してクラブ活動を一生懸命しながら近畿大学に進学していく生徒たちも沢山います。
青木先生/渡邉先生 吹奏楽部に関して言えば、4、5年くらい前から近畿大学吹奏楽部との連携を意識的に始めまして、これまで年1回程度のペースで、合同コンサートを開催させていただいております。実は、小谷先生が来られる以前には当校の吹奏楽部は活動的に相当苦しい時期がありまして、その頃に支えていただいたのが近畿大学吹奏楽部の方々であり、近畿大学吹奏楽部のOB・OGの方が教えに来てくださる時期がしばらく続いたんです。やがて、より本格的に音楽を勉強していくという意味で、指導については外部講師にお願いすることに切り替えたんですけど、連携自体は今でも続いています。実はシンガポールの中学生から「是非近畿大学さんと一緒にコンサートをしたい」というご要望がありまして、今年の12月13日(土)に大学内の「11月ホール」において近畿大学吹奏楽部と合同でコンサートを開催することが決まっています。
取材班:
年によって異なるとは思いますが、吹奏楽部の中で近畿大学に進学される部員の割合は大体どのくらいですか。
青木先生:
約6割くらいは近畿大学に進学しますね。だから、近畿大学吹奏楽部の現役の学生さん達の中には必ずうちのOB・OGがいますね。
取材班:
近畿大学附属中学校とは何か連携を行なっていますか。
青木先生:
近畿大学附属中学校にも吹奏楽部はありますが、ただ附属中学校の場合は進学中学校という位置付けがありまして、クラブ活動を行うのがなかなか大変なようです。吹奏楽コンクールではB組に出場されています。附属中学時代に吹奏楽を3年間やってきた生徒のほとんどは、そのまま附属高校に持ち上がってきます。それで、高校から本格的に吹奏楽を始める生徒も沢山いますね。
取材班:
附属中学以外の中学校から附属高校に入学してくる生徒数の割合はどのくらいですか。
青木先生:
割合でいうと他の中学校から入学してくる子たちの方が多いですね。
取材班:
吹奏楽部も同じ傾向ですか。
青木先生:
吹奏楽部の部員数は1学年で約20人くらいなんですが、そのうちの約15人は附属中学以外の中学校から入学してきた3カ年間の生徒たちですね。それで、残りの5、6人は中学から6カ年間で一貫教育を受けている生徒たちです。
取材班:
と言うことは、高校の中には色々なカラーを持った生徒が混在していますね。
青木先生:
附属中学から6カ年間で授業を受けてきている生徒は、最初から近畿大学附属高等学校の中のことが全部分かっている状態なので、高校1年生に上がってもすごくリラックスしていますよ。とにかく先生の顔も何もかもを全部知っていますから。そうかと思えば、附属中学以外の中学校から入学してきた生徒はこの高校が初めてでドキドキしていて、生徒により色々ですよ。
取材班:
顧問としてご苦労されている点をお答えいただけますか。
青木先生:
そうですね、学校の規模が大きいこともあるんでしょうが、学校の仕事が忙しくて生徒たちに時間を十分に割いてあげられないことが苦労する点と言いますか、辛い点ですね。他には、生徒たちは多分「もっと練習をやりたい」という気持ちを持っているんだと思うんですけど、練習時間の制限をしないといけない点が一番辛いですね。お金も辛いですけど(笑)。
渡邉先生:
青木先生/渡邉先生生徒と話をしていると「どうしてこれできないんですか」とか「これさせて下さい」とか色々な意見が出ますが、それをなかなか実現させてあげられないことに僕自身心残りに思うことが非常に多いですね。実際、生徒には「ないなりに工夫してやりなさい」と言いはするものの、「もっとしたいことをさせてあげたいな」とは思いますよ。
取材班:
実質の練習時間はどれくらいですか。
青木先生:
クラブのスタート自体が早くて6限目か7限目の終わり、特進クラスの生徒に至ってはその後補習で8限目か9限目の終わりとなります。だからと言って生徒のセキュリティーの問題があるので、学校自体がクラブの練習をそんなに遅くまでという訳にはいきません。7時から7時半くらいまでには遅くともクラブを終わらせ、8時前には校門から生徒たちを出すようにしています。そうすると、トータルできちっと練習に集中できる時間は2時間あるかなって感じですね。どこの学校もそんなに変わらないとは思うんですけど、ただそれでもちょっと辛いですよね。
取材班:
外部講師の小谷先生は週何回くらい指導に来られるんですか。
青木先生:
吹奏楽コンクールや定期演奏会といった非常に大きな行事の前には、相当無理してスケジュールをやりくりして学校に来ていただいています。通常時であれば月5、6回くらいですね。つまり週1、2回あるかないかという感じです。
取材班:
最後に生徒の皆さんにメッセージをお願いします。
青木先生:
青木先生/渡邉先生吹奏楽部なので生徒たちも音楽が好きで集まって来ていると思いますが、彼らには高校生活の3年間、必死に「音楽の素晴らしさ」というか、「本質的に音楽とはこういうものだ」というものを追い求めてほしいと思います。そして、いつの間にか自分が気付かないうちに音楽以外の部分も学んでいたということがあれば、それが多分理想的なことだと思います。生徒たちにはこの学校で3年経った後にはいろんなものを身につけて卒業していってほしいですね。
渡邉先生:
僕も経験があるんですけど、高校生活の3年間が終わった時に自分がどのような充実した生活を送れていたのかを振り返る場面がきっとあると思うんですよ。そこで「本当にやって良かったな」と思えるようなものを、それは例えば音楽であったり、人間関係であったりすると思いますが、今からでも作っていってほしいなと思います。それは人に言われて行動するものではなく、自分で求めて行動するものだと思うので、それをしっかり求めていけるように生徒たちには今後も伝えていければと思います。