キーワード(2) 楽器がない...場所もない...

楽器がない...場所もない...

同好会発足時は学校には当然楽器も楽譜も譜面台も何もなかった。でも楽器がなければ部員たちは活動できない。そんな状況だけは何としても避けたいと、顧問の先生は職員会議承認から活動開始までの1ヶ月間、楽器を借りるために大学や中学校などを必死で走り回ったという。一から立ち上げる故の苦労である。
苦労は他にもある。まだ「同好会」であるため、唯一の練習場所である音楽室を使える日も限られており、練習時にはすべてのパートがそこで各々音出しを行なう。そのため楽器によっては自分の音を聞き分けにくく、決していい練習環境とは言えない。
また、メンバーの約半数が初心者のため、パートによってはなかなか思うように練習も進まず、いつも手探りの状態だ。そんな部員たちのため、顧問の片谷先生は知り合いのプロの演奏家を招いてパート別に順次クリニックを行なっている。部員たちに話を聞くと、随分刺激を受け勉強になったそうだ。

楽器がない...場所もない...

そんな中、吹奏楽同好会にさらなる試練が訪れる。唯一の練習場所であった音楽室が、高校新校舎建替工事のため近々取り壊されることになったのだ。新校舎ができるまでのしばらくの間は、多目的ホールを演劇部と共同で使用することになる。部員にとってはより練習時間が制限される厳しい環境となるが、最初何もなかったところから今日までを築き上げた部員たちなら、きっと明るくこの困難を乗り越えてくれることだろう。