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自立性を重んじる部員たち

洛南高等学校吹奏楽部は、関西吹奏楽コンクールで全国大会出場枠を争う強豪校でありながら、他校に比べて人数が非常に少ない。
取材のタイミングが新1年生入学前の3月ということもあるが、総勢で26名、一学年平均13名だ。
それぞれ個性的な生徒が集まり、個々の意見を尊重しながら部を運営している。
「人数は少ないですが、その代わりコンクールは全員参加なので団結力があります!」
「オーディションもないので、中には初めて楽器を持ってからほんの4ヶ月でコンクールに出る、ということも。」
「人数が少ないので色んなパートが人手不足です。でもその分、自分の音への責任感を強く感じますね。」

と、生徒たちにも苦労はあるようだが、一方でその逆境に負けずに自分たちの音楽を奏でていこうという信念も感じられる。

吹奏楽部をまとめる部長・副部長

また、吹奏楽部をまとめる部長・副部長に話を聞くと
「挨拶や掃除、練習など何でも、後輩に注意する前にまず自分が見本となれるよう心がけています。」
「責任ある立場なので、皆のモチベーションを高めていくのも僕たちの役割だと思っています。」
「自分のことだけでいっぱいにならないように、できるだけ周りにも目を配るよう気を付けています。」
「部内で何か起きたとき、それがたとえ故意ではなくても、その責任をとるのは部長だと思っているので、しっかり部長としての自覚を持ってこのクラブをまとめていかなければと思っています。」

と、それぞれが非常に強い責任感を持って取り組んでいる。
役職は部長・副部長の他にも、コンサートマスター、行進隊長、副行進隊長、掃除部長、さらに楽譜係、制作係、司会係など10以上にも及ぶ。
そういった役職は全て、前代の先輩たちが「この係はこの人がいいだろう」と選んでいく。
そこには先生は関与しない。また、毎年11月に行われる定期演奏会には、通常の曲演奏のほかに3年生が主体となって企画・実行する企画ステージ・マーチングステージがある。
そこで行われるステージは全て生徒の力だけで実行されるので、一人ひとりの役割は重要だ。

企画ステージの練習

「3年生を中心に新しい企画を立て、部活の後にその企画ステージの練習をしました。ラインダンスや扇子を使ったパフォーマンスなど毎日ハードでしたが、それだけにやり終えた後は大きな達成感がありました。」
「3年生にとっては、この定期演奏会が洛南最後の舞台になります。卒業された先輩方はとても尊敬できる方々でしたので、これから自分がその立場になると思うと大きな責任を感じます。でも一方で、新しいことに挑戦できるという期待感も持っています。」
と、生徒たちの中でも定期演奏会は特別なイベントのようだ。
このような個々の自分の役割に対する責任感や、その責任を果たそうとするひたむきな取り組み、お互いを認め合う心がこの魅力あるバンドをつくり上げている。