人数は少ないけれど...。

人数は少ないけれど・・・。

少人数という点で、いろいろと大変なこともあると思うのですが?
「クラリネットは、今2年生2人しかいないので、3パートすら揃わないという状況です。新入生募集中!!(クラリネット)」
「基本的には中学でやっていた楽器を担当するのですが、パートが足りない場合は「お前ここ行け!」みたいに、いろんなところに飛ばされることもあります(笑)。(バスクラリネット)」
「曲によっては、一人でいくつもの楽器を担当することも多々ありますね。(トランペット)」

少人数ならではの強み

「個人個人が技術を上げ、自分の音に責任を持ち、
気持ちを込めて奏でれば、少人数でも聴いてくれる
人を感動させられる音楽になるはず。(トロンボーン)」

逆に、少人数ならではの強みは?
「一人ひとりが妥協せずに吹いているので、お互いに切磋琢磨し合える関係です。(ホルン)」
「一つの音楽にみんなで一丸となって取り組めることです。(ユーフォニアム)」
「吹奏楽コンクールは全員参加! 関西大会は会場が3年で一回りするので、次も出場できれば3年生は京都会館・尼崎市総合文化センター・和歌山県民文化会館の3会場すべてを経験することができます。(ホルン)」

「少人数なので人と人との距離が近く、皆で部を運営しているって感じがします。それに目の前で仲間が上手くなっていくのが分かるので、刺激しあえて、すごく楽しいですね。(パーカッション)」

実は意外と、練習内容も日常会話も普通です。

実は意外と、練習内容も日常会話も普通です。

入部前と入部後で印象の変わったことはある?
入部前と入部後で印象の変わったことはある?
「入部前は、演奏がすごく上手なのでどんな練習をされているんだろうと思っていたんですけど、入ってみたら特に変わった練習はしていなかったので意外でした。実際は基本的なことをひたすら深いところまで突き詰めて反復練習しているので、同じ練習内容でも、どこまで深く突き詰めるのかが大事なんだなと実感しました。(クラリネット)」
「練習以外は思っていたよりも楽しい雰囲気でした。逆に練習は、「ここまでやるのか」という厳しさを感じました。(バスクラリネット)」
「僕の中学の時の吹奏楽部は練習方法が割りといいかげんだったので、洛南ならすごい練習方法があるんだろうと思って入ったんです。でも実際には特別な練習があるわけではなく、それどころか曲練習よりも基礎練習中心で、それも練習台を使わずスネアを使っての基礎練習とか、ちょっと意外でした。でも、それが洛南らしさなのかなって最近になって思うようになりました。(パーカッション)」

入部して良かった

「入部前はクラブ自体が厳しそうな雰囲気で、先生も先輩方も恐いイメージがあったのですが、入ってみると普通の高校生らしい雰囲気もちゃんとあって、楽しく過ごせています。先輩ともいろいろコミュニケーションがとれるので、入部して良かったと思っています。(パーカッション)」

新入生歓迎会

春には校舎中庭にあたるこのウッドデッキ
で新入生歓迎会の演奏が行われる。

また洛南の『独特の話し方』というものに注目し、司会係の女子生徒に定期演奏会の司会冒頭を実際に再現していただいた。一般的な司会の話し方よりかなり早口にもかかわらず素晴らしい活舌。語尾上がりのハキハキした話し方はキリリとして清々しく、聴いている方は背筋が伸びるような思いだ。毎日の練習後のミーティングもこの話し方で進められる。
「気が引き締まりますね。しゃきっと部活を終われるので良いと思います。(トランペット)」

練習はひたすら基礎練習。音程合わせは徹底的に!

練習はひたすら基礎練習。

「普段の練習は、チューニングして、ロングトーン・タンギング・リップスラー・スケールなど、ひたすら個人での基礎練習中心ですね。(トロンボーン)」
平日は毎朝8時に全員集合、そこから8時半くらいまでが朝練習だ。夕方はコースによって授業の終わる時間が違うため16時~17時の間に部活が始まり、練習、合奏、そして18時~19時くらいの間にミーティング。その後はABCの3つのグループに分かれて、Aが中掃除、Bが外掃除、Cがロングトーンというようにローテーションで行なっている。そして20時の完全下校までは自主練習だ。夕方の練習では曲をやることもあるが、ほとんどが個人練習や基礎合奏。基礎合奏のメニューも毎回部長が考えるが、おおよそ音程合わせに終始する。ハーモニーディレクターで音を出し、それに合わせていく単純な作業を徹底的に行なっていく。

音程合わせは徹底的に! 「昔は毎日基礎合奏があって、パートによってはC♭の音を1・2時間かけて合わせ続けたりしていました。最近は毎日ではなく...もちろんそれもとても重要なんですけど、バランスを考えて曲の合奏もしています。でも本当に基礎を固めようと思ったら、それぐらいのパート練習が必要かもしれないですね。(ファゴット)」

音程重視

部室はさほど広いわけではなく、複数の楽器の音が鳴り響く環境の中、個人練習を行う。そんな中でも、練習メニューは断然音程重視だという。

曲の完成度

「やはり基礎が一番にできていないと、曲の完成度も変わってくると思います。(サックス)」

東寺

休日は朝9時集合。東寺がすぐそばなので、
時間があるときには皆で一斉に参拝に行く。

歴史と共に豊かになる楽器。

歴史と共に豊かになる楽器。

「基本的に楽器には恵まれていると思います。(パーカッション)」
「トランペットはみんなB♭を担当していますが、曲によってはA/D/E♭/C/トランペットやコルネット、ピッコロトランペット、フリューゲルホルン、アルトホルン、時にはスライドトランペットなどの珍しい楽器を持ったりもします。あとホルンの人がワグナーチューバを担当することも。(トランペット)」
「チューバは2年生がE♭管・B♭管、1年生がC管と、3人それぞれ管が違います。これらは全部学校のものです。(チューバ)」
なんとも種類豊富な管楽器だが、中でも打楽器は多種多様だ。
「定期演奏会でカリオンという楽器を使いました。チャイムとはまた違った鐘でコーンと鳴ります。本当は使わなくてもよかったのですが、Cのチャイムの音にカリオンを使った方がいいだろうということで、もともと学校にあったので使いました。(パーカッション)」
「フルのチャイムが、附属中学校の所有物と合わせて4台あります。音域も広く下のCまであるので、専用の台に乗せないと地面にくっ付くくらい長いです。」
「毎年なにかしらの楽器が増えています。スネアドラム等のメジャーな楽器はだいぶ揃っているのですが、普段使わないであろう民族楽器は先生のチョイスで徐々に集まっている感じです。」

珍しい楽器だと演奏方法に戸惑うのでは?

珍しい楽器だと演奏方法に戸惑うのでは?
「うちのメンバーには打楽器博士がいるので(笑)。(パーカッション)」
「最近だとジャンベやスルドが楽しいです。」
「でも楽器の種類が多い分、一人あたりの担当パートも多いですね。走り回っている状態です。マーチングのときは、外で演奏できないコントラバスやファゴットに手伝いに来てもらっています。」「和楽器ではチャンチキや拍子木とかもあります。琴も以前、定期演奏会で使ったことがあります。」

定期演奏会の思い出は? チェロ

定期演奏会の思い出は?
「ハードでした(笑)。でも毎年新しいことをやっていて、その新しいことを自分たちで作り上げていくのがすごく楽しかったです。(トランペット)」「1日中演奏するのでとても疲れますが、終わった後の達成感は何ものにも代えがたいものでした。(コントラバス)」
定期演奏会は毎年11月に、京都コンサートホールにて昼と夜の2回公演が行われる。指揮は全て池内先生だが、企画・マーチングステージは部長と副部長と行進隊長が中心となって準備が進められる。
「今年は蛍光塗料を龍の鱗のような感じで布に塗って、何人かで持って動くという演出をしました。(トランペット)」
「他にも、毎年恒例の扇子を使ったパフォーマンスや和太鼓など、全部で4つくらいやります。(バスクラリネット)」

金管楽器

「前回の定期演奏会の夜の部では、9月にお亡くなりになられた前顧問・宮本輝紀先生の追悼コンサートを行いました。現役40人弱に対してOBの方が200人近くも参加されました。遠くは北海道や九州から来られた方や、プロ楽団の首席奏者の方、14年ぶりに楽器のケースを開けたという方まで...『洛南高等学校吹奏楽部』が歩んできた歴史の重さを感じました。(トランペット)」
「OBの方がソロ演奏中に涙ぐまれるシーンを見て、高校生活3年間の間に顧問の先生から伝えられた思いは、大人になってもしっかりと残っているんだなと感じました。(クラリネット)」

洛南高等学校吹奏楽部の主な年間スケジュール
1月 - 7月 -
2月 - 8月 コンクール・合宿(夏合宿)
3月 卒業式 9月 体育祭
4月 入学式・新入生歓迎コンサート 10月 文化祭
5月 合宿(春合宿) 11月 全日本高等学校吹奏楽大会in横浜・定期演奏会
6月 吹奏楽祭 12月 -
故山下清孟先生

卒業式では、初代顧問の故山下清孟先生が編曲された洛南オリジナルの「仰げば尊し」や「蛍の光」を演奏。保護者からも好評を得ている。
「特殊な編曲なので、冒頭を聴いても何の曲か分からないと思います(笑)。(パーカッション)」
「打楽器が活躍する編曲で、ティンパニを2プレイヤーで担当します。正直「蛍の光」はかなり激しいです(笑)。」
「ドラを鉄バチでガツガツ叩きます(笑)。」
「副題が『若者の船出』なので(笑)。」

この他にも、毎月21日に行われる御影供(みえいく)では「いろは歌」をはじめ吹奏楽部が演奏を行う。
「4月・6月・8月に行われる東寺の行事にも参加しています。8月は盆踊りなどをする夏祭りです。
「いろは歌」は東寺の行事や保護者会などで何回も演奏するので、高校3年間を通して一番演奏回数が多い曲ですね。(パーカッション)」

夏合宿!

夏合宿!

「夏合宿は滋賀県のマキノ高原へ行きました。防音の合奏場が新しくできたので、日付が変わるまで練習できて良かったです。(トランペット)」
「すごく景色のいい場所で、外に向かって思いっきり楽器を吹きました。自分の音だけ聴こえて、すごく気持ち良かったです。この辺りだと外に向かって吹けないので...。(トロンボーン)」
「夏合宿はコンクールの練習でずっと缶詰です。期間はだいたい5日~1週間くらいです。通常の部活は夜8時くらいで終わるけど、合宿ではそれより長い時間メンバーと一緒なので、友情を深められますね。(チューバ)」
「コンクール前で皆とても気合いが入っていて、そういう時の練習はとてもやりがいがあって楽しいです。(フルート)」

印象的な夏合宿の思い出は? 「みんなでお菓子だけを買いにスーパーへ行ったりしました(笑)。先生に『それはさすがに買いすぎやぞ』って言われてしまったこともあります(笑)。(クラリネット)」
「先生が魚を釣ってきて刺身を振る舞って下さったことですね。先生は釣りがお好きなのですが、ある朝、先生がいらっしゃらないな~と思っていたら、夕方ごろにこそっと戻ってこられて...それで釣ってこられた魚がその日の晩餐になるんです(笑)。(サックス)」
「生徒思いの先生で、お肉中心の食生活になっていた私たちの身体を気遣ってくださいまして。(トロンボーン)」
「不眠不休で魚を釣ってきてくださる愛情いっぱいの先生です。(ホルン)」

「最終日の夜にはキャンプファイヤーをします。(クラリネット)」「池内先生は花火がお好きなので、たくさんの花火、特にロケット花火を大量に持ってこられて...(笑)。(ファゴット)」「すごく楽しかったです(笑)。(ホルン)」

池内先生はどんな先生?

池内先生はどんな先生?
「とても熱い先生です。情熱がすごいので怒られる時もありますが、こちらも『頑張ろう!』という気になるので、それが池内先生のすごいところだと思います。(パーカッション)」
「合奏中はすごく厳しいですが、普段は笑わせてくださるユーモアのある先生です。すごく音楽に詳しくてとても尊敬しています。(ホルン)」
「音楽に厳しくて、こだわりが強くて...本当に音楽を愛している先生です。でも音楽の技術的なことだけじゃなく、他のことも『こうこうやっといたら後でもこういうことに役立つんやで』と音楽を通じて教えてくださる、すごく尊敬している先生です。(トランペット)」

生徒の自主性、主体性を大切にされています。

このキャスター付きの台も先生のお手製だ。

「演奏に関しても、生徒の自主性、主体性を大切にされています。(ホルン)」
「よく注意を受けますが、その時にはよくわからなくても後になって考えると、とても奥が深く適切なことを言ってくださったんだなと気付かされることがあります。そんなことを言ってくださる先生は池内先生だけです。(チューバ)」
「池内先生は工作技術もすごくて、先生と制作係が協力すれば作れないものはありません!(笑)(パーカッション)」
「打楽器メンバーも手伝いに加わって、打楽器ケースを作ったりしています。実際に設計図みたいな簡単な図面を作って、本格的に創作しています。」
「マーチングバスドラムを4つ横に並べて、ティンパニのように一人で叩くための台も作りました。」

部活も勉強も諦めない!

部活も勉強も諦めない!

部活と勉強との両立はどうやってるの?
「部活をやっていると、本当に勉強する時間がありません。なんとか授業時間内に理解し、通学時間も利用することで、やっとついて行ってる感じです。でも勉強も部活も諦めたくないので、そこは喰らいついて諦めずに頑張りたいです。(ホルン)」
「私は通学で電車に1時間ちょっと乗っているので、その中で暗記ものはなるべく終わらせて、夜はできるだけ早く寝るようにしています。(トランペット)」
「僕はクラブから帰ってバタンって寝ちゃうことも多いんですけど、予習とかをしないといけないときは倒れてから復活します(笑)。一通り予習だけでも!と思って頑張るんですが、復習に手が回るか回らないかぐらいのところで...いつの間にか睡眠学習に(笑)。(パーカッション)」
これからの目標は?
「目標は全国大会出場なんですけど、この学校にはやっぱり伝統があるので、それをきっちり守りながらも、自分たちの時代に合った新しい音楽をどんどん作り出していければと思います。(部長)」「コンクールの全国大会出場ももちろんですが、みんなから長く愛される音楽をやっていきたいです。少人数のバンドだからこそ、自分の意見をしっかり出していきながら皆の個性も尊重し合う、そうやって全員でまとまって進んでいけるクラブにしたいです。そして、社会に出てからもこの部活で学んだことを大切にしていきたいです。(副部長)」

これからの目標は? 千羽鶴

【2011年3月19日 取材】