キーワード(4) "歌の力"で、心を届ける

箕面自由学園高等学校吹奏楽部は、練習に合唱やリトミックを取り入れている。各パートがそれぞれ自分の担当楽器の音を歌うことで、パート内でのアンサンブルや他パートとのハーモニーを身につけるのだ。さらに足でリズムを踏んだり手を叩いたりして、曲のリズム感やビートの違いなどを、全身を使って理解していく。

だが、箕面自由学園高等学校吹奏楽部のすごい所はここからだ。顧問の福里先生が声楽科出身ということもあり、音楽理解はフィジカルな面だけにとどまらない。ある合奏練習の最中、福里先生が生徒たちに呼びかける。「ほら!想像して?」彼らは楽器を置き、真剣に歌詞に出てくる「出会い」について考えていた。
そして、自分たちなりの「出会い」を思い浮かべ、歌に感情を込める。すると、とたんに声色が柔らかく切なくなったのだ。声色の変化を全員で確認し、また楽器を手に取る。そして楽器を鳴らすと、驚くほどに音に感情が乗って響き渡った。 演奏者の意思によって音色が変わる吹奏楽。歌詞の意味や感情の動きをとらえているからこそ、彼らの演奏は人の心を打つのだろう。