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『フェスティバル参加レポート』 ●2010年3月13日(土)
●会場/サーティホール(大東市立文化ホール 大ホール)
■演奏/フィルハーモニック・ウインズ 大阪
 
「オオサカン・ウインドバンド・フェスティバル」では、加養先生・鈴木先生による課題曲クリニック他、様々なイベントが行われました。公開リハーサルやコンサート、各種講座やブースの出展など、当日の会場の様子をお伝えします。
 
当日は雨がポツポツする空模様でしたが、大勢の学生が会場に詰め掛けました。
 
■10:30 開場■
 
楽譜やCD、楽器などの企業展示ブースには、さっそく熱心に見入る学生たちが。
 
■11:00 公開リハーサル■

当日行われるコンサート「小編成レパートリーコンサート」と「実演!10’吹コン課題曲」のリハーサルが、プログラム順に行われました。

♪『いつも風 巡り会う空』(福島 弘和 作曲)

♪『スターファンタジー』(後藤 洋 作曲)

♪『ザ・パイオニア』(ロバート・シェルドン 作曲)

最初に3曲続けて演奏、1曲ごとに指揮者の加養先生からバンドに細かい指示が入りました。

曲の合間には、加養先生から観客へメッセージなども。

加養先生「皆さんもこうやってホール練習や広い場所での練習をされることがあると思うけど、気を付けてほしいことがあります。まず指揮者の方、指揮台の上でバンドを判断しないでください。指揮台の上と客席とでは聴こえてくる音が全く違うので、本当は客席に聴こえてくる音で判断しなきゃいけないんです。次に奏者の方ですが、普段どういう並びで、どういう姿勢で、譜面台はどの位置で、というのをあまり意識されていないかもしれませんが、場所が音楽室でも体育館でも、 どういう風に見られているのかを常に意識してください。それから、『響く・響かない』のバランスですね。例えばみんながフォルテシモのところでも、メロディがトランペットとかフルートとか、どこが聴こえなければならないか、音量のバランスを考えてやりますよね。でもコンクールとかで何ヶ月も練習していると、いつの間にか忘れてしまってみんな全力で吹いていたりするから気を付けてね。あと、打楽器でバランスが悪いと言われたら、それは音が大きいってことじゃなくて、例えばスネアとグロッケンのバランスが悪いとか、そういう楽器同士のアンサンブルのことなので、むやみに音量を下げるのではなく、楽器同士のバランスに気を付けてくださいね。
次の曲がこの小編成の中では一番人数が多いけど、今の吹奏楽部って、ほとんど15〜20人くらいの編成が実際のところだと思うんです。だけど、人数が少ないからって諦めずに、好きな曲を思い入れを持って演奏するっていうのが大切だと思うんですよね。だからスコアに『大編成』って書いてあっても、楽器がなくても、セカンドがなくてもサックス2人でもコントラバスがいなくても、工夫をしてやってほしいですね。」
 

♪『英雄は我が傍らに』(ジェームス・スウェアリンジェン 作曲)
加養先生「1カ所だけ確認させてください。25の伴奏、少し跳ねて…その後の4小節は対照的に。4小節と4小節で組み合わせになっている。
後半にもありますね。」

加養先生「小編成のリハをやりました。次は課題曲をやります。人数が増えて、音が大きくなって豊かになるけど、小編成でも出来なくはない。
さっきの4曲目のスウェアリンジェンは勉強になるところがたくさんあります。
アーバンなどの教則本も大切だけど。皆さんは年に何曲くらい演奏されるのか分からないけど、たくさん曲をやったほうが勉強になると思いますよ。 曲をやって「あぁこんな練習が必要だな」とか「ここはもっとこうしなきゃいけないな」といった具合に意識を持ってやるから、曲から入ったほうが技術的な練習にもいいんじゃないかなと思います。」

 
♪『課題曲T 迷走するサラバンド』
加養先生「3つあります。頭から4小節目の3拍め、もうちょっと…雰囲気を。それと皆さんAがちょっと速いから、もうちょっと落ち着いて。あとHの4小節目、ア−(A)からベー(B♭)へちょっと待ち過ぎてるよ。」
♪「テナーサックス、構えるのではなく気軽に。」
♪「Bの4、5小節、もうちょっとクレッシェンドが欲しい。みんな察してください。」
♪「もうちょっとタララララ〜と。OKです。」
 

加養先生「えー、課題曲を聴きに来たっていう方、どれくらいいますか?
(観客の7・8割が手を挙げる)
その中で曲が決まったっていう方は?
(ほぼ無し) 
せっかく皆さん朝早くから来てくださったのでお教えしたいのですが、CDで聴く印象はアテにならないですからね。あくまでも録音なので。生の音と180度違うこともある。
『印象』はだいぶ違うということを頭に置いておいてくださいね。全曲やってみられたらいいんですけど、そんな時間もないでしょうから、今日のこの機会を活かしてくださいね。」

 

♪『課題曲U オーディナリー・マーチ』
加養先生「もうちょっと一番最後はどっしりいこうか。最後はトリオのテンポでいくくらいで。多少ずれてもいい、多少ね(笑)。あとはOK。」

♪『課題曲V 吹奏楽のための民謡「うちなーのてぃだ」』
(すぐやり直し)加養先生「もう少し落ち着いて、4拍めから揃えて。今までバラバラに入ったけど、ここからみんな一斉に。」
♪「1カ所だけ。デー(D)のタタタ・タタタ、頭から少し膨らみすぎでタータタになっている。」

♪『課題曲W 汐風のマーチ』
(すぐやり直し)加養先生「Aの頭からSまでトランペットがリードだけど、雰囲気は木管リードで。符点を出そうとすると裏拍を意識してしまうけど(タンタタの真ん中の音)、もっと軽く。」
♪「えっとすみません、何点か。Bの2小節め、トランペットはクレッシェンドしましょう。Iの1小節前、テーマを含めデクレッシェンドで。ピッコロは出てくるというよりは浮き出す感じで。Hのサックスのビブラートを…。では最後の曲にいきましょう。」

 

加養先生「どうですか皆さん、CDで聴いたのとイメージが違うなぁって思った人いますか? 中には同じって思った人もいるかも知れませんが。課題曲は一番幸せで不幸な曲だと思うんです。こうやって多くの人に演奏してもらえて幸せ、だけど終わってしまえばだれも演奏しない不幸な曲。例えばA. リードのアルメニアン・ダンスは、世に出て40年ですが進化し続けている。いろんな演奏をされて、いろんなニュアンス、楽譜にないような表現までされている。だけど…、すごい暴言を言っていい? 次の曲は何十年後には誰も演奏しない(笑)。短い期間で曲を育てなきゃならない。音が楽譜通りに並んだだけで満足しないで。いっぱいクエスチョンマークをつけることで曲が育つから。

たとえば今日はクレッシェンドって言ったけど、明日はやっぱりデクレッシェンドになるかも知れない。今日は音は短めにしたけど、明日は長めにするかも知れない。やってみてダメだったら元に戻せば良い。先生方、是非『これで一番良い形でお客さんに伝わってるか』っていうのを毎日考えてください。最近は録音機械も安くて良いのが出ているので、録音して聴くとか。」

 

♪『課題曲X 吹奏楽のためのスケルツォ第2番《夏》』
「22の2つ前の頭、ティンパニはクレッシェンドして!」(演奏が終わった後、会場がザワザワ苦笑い?)

加養先生「と、いう曲なんですよ、皆さん(笑)。これ十年後にはしないですよね?出来るだけ間違えないようにやりますね。『間違えないでやる』が課題になりかねない曲。
慣れるとどうなるかはわからないけど、それはそれで別の部分でいろいろ不都合が出そう。高校生の皆さん、楽譜に負けないで、あきらめないで。…ちょっと遅くなった?ノリが悪かった?頭だけもう一回やりましょう。急いでやるとマズイんで。」
♪(途中で切れた)
「私が間違えました(バンドが笑)。と、いうわけで(バンドが大笑)、この曲は緊張感をいかに出すかというところなので、わざと間違えて雰囲気を崩さないように(笑)、ということにさせてください(笑)(←最後はコンサートマスターへの言葉)」

 
■12:30 みんなで交流ランチタイム■

他目的小ホールにて、楽員と一緒にランチタイム。担当楽器ごとにテーブルをまとめ、相談事などをしながら、和気あいあいと過ごしていました。


■13:30 公開講座■

各教室を利用して様々な講座が行われました。

 
A. 呼吸法〜楽器を吹くということ〜
吹奏楽では呼吸が大切。正しい呼吸をするために必要な正しい姿勢の取り方や腹式呼吸のメカニズムを、 悪い例・良い例を挙げながら詳しく解説。
 
B. リズムのいろは〜音楽の源はリズム〜
強拍・弱拍、表拍・裏拍など、リズムを構成する要素に目を向けて、実践ですぐに使えるリズムの伝授。
 
C. 基礎練習の大切さを知ろう!〜ロングトーンは何故必要?〜
毎日の基礎練習をより有意義に。スケール練習による音程の把握やタンギング練習のポイントなどを詳しく解説。
 
D. 打楽器チューニング講座〜知ってて得する皮物の扱い〜
ティンパニ・バスドラム・スネアドラムなど皮物のチューニングについて、 実演を交えてわかりやすく解説。
 
E. 音色の種類は無限大〜マレットの選択での音色変化〜
マレットを変えるだけで音のニュアンスが全然違う!? マレットの種類別に、その特徴について熱く語る。
 
F. 金管楽器のお手入れ術♪〜毎日すること、毎月すること〜
楽器の調子が良くないと様々な不都合が…。 常に良い状態に置いておくために、日毎、週毎、 月毎のお手入れ方法を詳しく説明。
 
G. リードの話〜クラリネット編〜
扱い方によって材質が変化するリード。「リードがすぐに使えなくなる」という人のために、長持ちするリードの選び方・育て方を伝授。
 
H. リードの話〜サックス編〜
良いリードの条件とは? 厚さ・繊維・かかとの形・メーカー等、何度も本番に耐える良いリードの選び方を伝授。
 
I. 舞台配置による違い〜配置によるバンドの響きの変化を感じよう〜
バンドの配置によるサウンドの変化を客席で体感。実際に各楽器の演奏を交えながら、配置場所の違いによる響きの変化、アンサンブルのバランスなどを考察。客席とステージ上での音の聴き比べなども。
ひな壇の上と下とでは…?
   
客席で聴こえる音と… ステージ上で聴こえる音の違い
 
観客の指揮体験。 ステージ上でも色々な場所で音を体感。
 
■15:10 小編成レパートリーコンサート■
コンサートでは、指揮・講師の加養先生に解説の鈴木先生が加わります。
♪『いつも風 巡り会う空』(福島 弘和 作曲)
曲の解説以外にも、少人数ならではの楽器の兼任や編成の工夫などを、実体験も交えながら話してくれました。
鈴木先生「僕が一番印象に残ってるのがね、一人でチューバとバスドラをやっている子がいて、それはすごい感動したなぁ。チューバで『ブー〜ブッ♪』って吹いてドンって床に置いたら、くるっと椅子の後ろへ移動して『ドーン♪』ってバスドラを叩くの(笑)。それをすごくスマートにリズミカルにやってくれるから、いや〜もう本当に感動した(笑)。」
加養先生「曲よりそっちに感動したんじゃないの?(笑)でもそうやって思い入れを持ってするのっていいよね。って曲の解説全然してないや(笑)。次の曲にいきましょうか。『スターファンタジー』、これ実はバンドジャーナルの付録で付いていた曲なんですよね。初心者用と言うか、楽器の経験が浅くても出来るような、技術的な配慮がなされている曲です。」
♪『スターファンタジー』(後藤 洋 作曲)
♪『ザ・パイオニア』(ロバート・シェルドン 作曲)
鈴木先生「スウェアリンジェンの曲は、ちゃんと作曲家が思い付きとかじゃなくてちゃんと考えて作ってる曲だなって思います。」
♪『英雄は我が傍らに』(ジェームス・スウェアリンジェン 作曲)
 
■16:00 実演!10’吹コン課題曲■
次はいよいよ、加養先生、鈴木先生によるコンクール課題曲の実演を交えてのクリニック。
詳しい解説や考察はこちらの特設ページへ。
 
■17:00 楽器別ワンポイント・アドバイス■

ホールの客席に各楽器奏者が散らばり、学生の質問や相談に団員が直接答えていました。

 

(こんな可愛い女の子もいたので、写真を撮らせてもらいました。)